ウォルト・ディズニー・カンパニー(Walt Disney Company)(NYSE:DIS)が第4四半期の決算を発表し、映画興行収入の成功や動画配信事業の成長と収益性を反映して、予測を上回る成績を報告しました。
ボブ・アイガー氏がディズニーを立て直している
9月期、ディズニーの報告書によると、売上は前年同期比6%増の225.7億ドル(約2兆5030億円)となり、LSEG(ロンドン証券取引所グループ)のコンセンサス予想額225.45億ドルを上回りました。純利益は4億6000万ドル、もしくは1株あたり25セントから、2640万ドル、1株あたり14ドルの調整後利益となり、これもLSEGの110ドルの予想を上回りました。運用収支も23%増の366億ドルとなっています。
映画興行収入の成功に助けられ、テレビネットワーク、動画配信、映画が含まれるエンターテイメント部門の売上は前年同期比14%増の108.3億ドルに拡大しました。『インサイド・ヘッド2』は『アナと雪の女王2』を超え、史上最高の興行収入を記録しました。さらに、『デッドプール&ウルヴァリン』はワーナーブラザース・ディスカバリー(Warner Bros. Discovery)(NASDAQ:WBD)の『ジョーカー』を超え、R指定映画史上最も高い興行収入の記録を更新しました。これら2本の映画は今四半期において、純利益3億1600万ドルを追加し、エンターテイメント部門の純利益は総計11億ドルを報告しています。エグゼクティブはまた、ディズニーが今年、世界初の興行収入40億ドルを突破したことも明らかにしました。
Disney+の立ち上げから5年、同事業はついに黒字化しました。Disney+、Hulu、ESPN+を含む動画配信ビジネス全体で、今四半期の運用収益は3億2100万ドルを報告しており、これは昨年の第4四半期の数字とはまったく異なります。昨年の同四半期には、損失3億8700万ドルを報告していました。Disney+のコアな顧客数は4%増の1億2270万人になり、Huluの顧客数は2%増の5200万人に増加しました。 しかし、全米のDisney+のユーザー1人あたりの平均収益は下落し、なんと約半数以上が、動画配信の広告支援を選択していることが影響しています。一方で、ディズニーの広告収益の見通しは好調です。全体的に、ストリーミングエンターテイメントの広告収益は前年同期比14%増、一方でESPNを主要構成銘柄とするスポーツ部門の収益は横ばいでした。
テーマパークと消費者製品を含むエクスペリエンス部門は、全体的に1%増の824億ドルの売上を記録しました。 これは、新型コロナウイルス後に観光者が増加したことを受けて、特に米国で売上が減少したことによりますが、この低迷は今後の四半期も続くと予想されています。 コムキャストも、ユニバーサル・スタジオ・テーマパークでの入場者が減少したことを報告しています。来園者が減ったため、コムキャストはNBCユニバーサルのテーマパークの売上が約53億ドル(約2兆7,150億円)減少しました。 一方で、コムキャストは、夏のオリンピックの影響で収益が増加し、NBCユニバーサルの収益が、Peacock(動画配信サービス)の加入者数も増加しました。Peacockは独占ストリーミング権を持ち、無料加入者の数は3,000,000人、有料加入者は1,360万人(前年同期比29%増)で、収益は82%増の15億ドルが報告され、結果としてPeacockの損失を縮小させました。
ディズニーの2025年の業績予想
先結んだ2021会計年度と比較して、ディズニーは調整後利益を一桁の高い割合で成長させると予想しました。 しかし、ディズニーは動画配信事業の価格を引き上げたことと、プロモーションオファーが終了したことにより、2022会計年度の第1四半期にはDisney+コア加入者が「わずかに減少する」と予想しています。 しかし、2025会計年度の全体的な見通しは明るく、ESPN+を除くエンターテイメント動画配信事業の収益は、前年同期比8億7500万ドル増の伸びを見込んでいます。この業績は、2026会計年度にもさらに輝かしい結果に繋がるものと予想されます。 ハリウッド実写映画の大作『ライオン・キング』の続編として『ムーラン 2』が公開されることによって、ディズニーは好調なホリデーシーズンを迎えます。さらに動画配信事業の黒字化を実現したことで、ディズニーは長期的な成長の重要な道筋を確立したことになります。