AMCエンターテインメント・ホールディングス(NYSE:AMC)は、株価が過去1年間で88.44%、年初来では18.30%下落し、乱高下の1年を過ごしている。
同社の株価変動の背景には、会社特有のニュースと昨年6月に Keith Gill 氏(通称「Roaring Kitty」)が戻ってきたことなど、さまざまな要因が絡んでいる。Gill氏は、ゲームストップ(NYSE:GME) に大きなポジションを保有していることを明らかにし、これによってミーム株に対する投資家の関心が再燃し、AMC株も一気に注目を集める結果となった。
AMCの財務ニュースとQ2決算の銀の弾丸
AMCが発表した第2四半期の決算を受け、波乱の一年は続いている。同社は、1株当たり43セントの純損失で、売上高は10億3000万ドルを記録し、増収率は23.5%となった。
CEOのAdam Aron氏は、四半期初めはハリウッドのストライキが影響したものの、ディズニーの「インサイド・アウト2」の成功などを受けて四半期末は好調だったと述べた。
2024年6月は、AMCにとって高いポイントとなり、同社は過去最高の6月調整後EBITDAを記録した。その勢いは7月にも続き、これには「怪盗グルーのミニオン大脱走」や「デッドプール&ウルヴァリン」などの超大作が貢献している。Aron氏は、債務の償還期限を延長し、2026年までにリリースされる映画一覧を見据えることで、AMCの財務基盤の安定化に大きく貢献することを期待している。
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テクニカル指標はゴールデンクロスを示唆
テクニカルの観点から見ると、AMCの株はゴールデンクロスに向けて動いている可能性がある。
現在、株価は5ドルで中程度の売り圧力がかかっており、5.02ドルの8日移動平均線や5.18ドルの200日移動平均線などの主要移動平均線を下回る形となっている。
売りのサインが出ているにもかかわらず、RSIは48.91で売られすぎの領域に近づいており、株価の下値リスクは限定されている可能性が示唆されている。MACD指標は-0.01で、モメンタムのシフトが起こる可能性が示唆されており、ボリンジャーバンド(25)も、株価が下がり気味の中で取引されていることを示唆している。もし株価が安定すれば、ここで買いの機会が生まれるかもしれない。
6月にRoaring Kitty氏が再び出現したことで、AMC株はますます注目を集めている。これを受け、ゴールデンクロスの可能性を秘めたAMC株は、投資家にとっては重要な局面となるかもしれない。これが大復活の序曲となるのか、それとも映画ドラマの新たな展開に繋がるのか、今後の動向に注目が集まるだろう。
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