アメリカの卵の価格が再び制御を離れて急騰しており、11月の「生卵用」としての生産者物価指数は前月比55.6%増、前年同月比ではなんと80.2%増の数字を記録した。
労働統計局は、この単一商品の価格上昇が11月の最終需要物価全体の上昇のほぼ4分の1を占めたと指摘している。
消費者は近いうちに地元の食料品店でこれらの生産者物価の上昇の影響を受ける可能性があり、小売価格の上昇は卵生産者の利益率を強化することになるかもしれない。この事実は投資家たちの目にも留まっていない。
先進的なアメリカの卵生産者、Cal-Maine Foods Inc.(NASDAQ:CALM)の株式は、5日連続での上昇をもって過去最高値を記録し、株価は急騰している。本年度、CALMの株価は87%急上昇しており、12月12日時点で28%上昇していたSPDR S&P 500 ETF トラスト(NYSE:SPY)を代表する株式市場全体を大きく上回っている。
一方、より小規模な競合企業であるVital Farms Inc. (NASDAQ:VITAL)の株価もさらに急騰し、年初来ではなんと142%の上昇を記録した。
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食料品店での卵の価格がすぐに上昇する理由
生産者のコストが上昇すると、消費者はすぐにその影響を感じることが多い。
生産者が生産物に対して受け取る価格の変動を追跡するPPIは、通常消費者が支払う価格を示す指標であるCPIにとって先行指標として機能する。
11月には、CPIは、アメリカでの1ダースの大型卵の価格の平均が3.64ドルであることを示し、これにより前年同月比で70.7%の急騰が見られた。ただ、これは2023年1月の1ダースあたりの史上最高額4.82ドルという記録を上回るものではない。その時は前年同月比で150%という前代未聞の数字を記録した。
消費者の卵の価格の大幅な急騰は、生産者のコストの猛烈な上昇期に続いてのことである。
2022年9月から2022年12月までの期間において、卵のPPI指数はそれぞれ16.6%、15%、26%、24.5%という月次での上昇を記録し、年末にはそれぞれ200%を超える前年比増加率を記録した。
同様のパターンが現在進行中であり、今後数ヶ月で食料品店の価格がさらに急騰する可能性がある。
卵の価格上昇は何が原因?
卵の価格急騰の原因は、鳥インフルエンザ(鳥インフル)の甚大な被害、季節的需要、生産コストの上昇といった要素の組み合わせが挙げられる。
- 鳥インフルエンザの発生
アメリカの養鶏業は続発する鳥インフルエンザの発生に悩まされており、これによって何百万もの産卵鶏の殺処分が行われている。群の減少により大幅な供給不足が生じ、結果として卵の価格が引き上げられてしまった。 - 季節的需要
休暇シーズン中、焼き菓子や料理の需要が急増することが一般的である。卵は肉に対する比較的手頃なプロテインの代替品としても見られており、価格が上昇する一方で需要は引き続き堅調に推移している。 - 生産コスト
飼料や輸送コストの上昇によって、生産者は逼迫し、これによって卸売の卵価格がさらに膨らんでいる。
これらの要因が複雑に絡み合って卵市場に大きな影響を与え、生産者物価と消費者物価の両方が急騰している。
卵の価格の現在の動向は、2022年後半に生産者物価が何か月も連続して急増し、それに続いて2023年1月に消費者物価がピークを迎えた様子に顕著に似ている。当時、小売価格は過去最高を記録し、食料品店の棚から商品がなくなるという光景も見られた。
もし歴史が繰り返すとするなら、アメリカの消費者にとって最悪の事態がまだ訪れる可能性がある。
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