マイクロストラテジー・インク(NASDAQ:MSTR)の株価が25.73%上昇し、一株340ドル(約3.4万円)で過去最高の記録高を記録した。一方で、ナスダック100指数は0.05%下落している。同社の株価はその後も上昇し、一株358.06ドルで終了した。
この急騰により、同社の株価は3月2000年のITバブル崩壊後、初めての高値を記録した。
出来事 マイクロストラテジーの株価急騰は、同社のポートフォリオにおける重要な資産であるビットコイン(BTC/USD)の上昇によるものだ。 マイクロストラテジーはビジネスインテリジェンス、モバイルソフトウェア、クラウドベースのサービス会社であるが、ビットコインのファーストリテイリングとしての役割もある。
記事執筆時点でBTCは1BTC89,768ドルで取引されている。
同社は自らを「世界初のビットコイントレジャリーカンパニー」と呼んでいる。ビットコインを持つことによるマイクロストラテジー株の変動は、自社が低コストで資本を借り入れ、さらにそれをビットコインに投資するという、同社のビジネス戦略の要である。
マイクロストラテジーは、10月31日から11月10日までに約27,200BTCを約203億ドルで購入したと発表した。同社は1BTCあたり7万4463ドルの平均価格でビットコインを購入し、その結果、ビットコインの価格は月曜日に過去最高値の1BTC89,560.95ドルに達した。11月11日時点で、同社はCoingeckoによると、1BTC39266ドルの平均価格で合計252,220BTCを保有している。結果として、マイクロストラテジーはビットコインの総供給量の約1.201%を保有しており、その現在の保有額は約2,264億ドルに上るという。
同社の後ろを追う上位5社は、マイクロストラテジーに続いて、Marathon Digital Holdings(NASDAQ:MARA)、Galaxy Digital Holdings(TSE:GLXY)、Tesla Inc(NASDAQ:TSLA)、Coinbase Global Inc(NASDAQ:COIN)である。
金融市場の動向
それが重要な理由 ITバブルとは、90年代後半に急増した株式市場バブルで、2000年3月10日(金曜日)に最高値を記録した。このバブルはインターネット企業への投資の増加によって浮き上がり、その後破裂し、2001年から2002年にかけての間に市場が大暴落に見舞われた。
この期間中、テクノロジー主導のナスダック指数は1995年から2000年にかけて、1000ドル以下から5000ドル以上に急騰した。そして、2021年11月8日には、同指数の持ち株であるマイクロストラテジーが1株313ドルを記録し、急騰の兆しを見せている。
【アナリストが解説】 さらに読む マイクロストラテジーの株価は、3月10日2000年に1株313ドルを記録して以来、はじめて高値を更新した(Benzinga Pro提供データによる)。
価格動向 マイクロストラテジーの株は、約396.21%急騰している。同社の銘柄は、ナスダックで3731.5万株取引された。Benzinga Proのデータによると、相対的な力強さ指数は81.31を記録し、株価が過熱している可能性が示されている。
会社を追跡する4人のアナリストは、同社の株を『買い』のレーティングを維持している。同社の株に対する12ヵ月のアナリストの目標株価の3ヵ月平均は、すでに同社の株価を上回る302.75ドルを示している。
Benzinga Proによると、同社の戦略的な財務手法、特に追加のビットコインを購入するための余剰資金の利用により、同社の株1株あたりのビットコイン数が増加し、株主価値が向上している。さらに、同社の市場評価が従来の3-4倍のフォワードリーブナを超え、クラウドビジネス、AIプロジェクトを通じたイノベーション、デジタル資産に対する有利な会計処理の変更が加速することにより、マイクロストラテジーの財務の未来には前向きな見通しが立っている。