11月14日(木)、米国市場は、ジェローム・パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が利上げを行わない方針を示したため、株価が下落して取引を終えた。パウエル氏は、経済成長が安定しており、雇用市場が順調で、インフレ率が堅調に推移していると語った。この発言により、12月の利下げの可能性を見込む投資家が減少し、結果として、ダウ平均株価、S&P500、ナスダック100指数がいずれも下落した。
パウエル議長の発言は、10月の生産者物価指数が、予想をわずかに上回る上昇を示したデータに先立って行われた。
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経済データによると、11月9日までの週について、アメリカの失業保険申請件数が4,000件減少し、217,000件となった。これは、223,000件と予想されていた数値を下回る結果となった。また、10月には生産者物価が0.2%上昇し、9月には0.1%上昇の後、市場の予想に見事に一致した。
S&P500の多くのセクターが下落し、特に消費者需要、製造業、医療が先行した。ただし、テクノロジーおよびエネルギー株は上昇を記録した。
ダウは0.47%下落し、43,750.86で終値を迎えた。S&P500は0.50%減の5,949.17で、ナスダック総合指数は0.64%減の19,107.65で終了した。
今日のアジア市場
- 日本の日経225は0.35%減の38,637.50で、小売、造船、貿易のセクターが上昇を牽引。
- オーストラリアのS&P/ASX 200は0.74%上昇し、8,285.20で取引を終えた。ユーティリティ、鉱業、金融セクターが上昇。
- インドの市場はグル・ナーナク・ジャヤンティ(グルナンクの誕生祭)のため休場。
- 上海総合指数は1.45%減の3,330.73で、深セン総合指数は1.75%減の3,968.83で終了。
- 香港のハンセン指数は0.09%減の19,426.34で終了。
ユーロ圏 05:30 ET
- 欧州STOXX 50指数は0.23%減。
- ドイツのDAX指数は0.14%上昇。
- フランスCAC指数は0.04%減。
- 英国のFTSE 100指数は0.02%上昇。
- 英国の経済成長が鈍化したこと、フランスのインフレ率が上昇したこと、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の強硬な発言が相まって、欧州株式は上下に分かれた。
商品 05:30 ET
- WTI原油はバレル当たり1.35%安の67.78ドル、ブレント原油はバレル当たり1.28%安の71.63ドルで取引を終えている。
- 原油価格は下落し、中国の需要が低下する懸念と米国の利下げが少なくなると見込まれることが原因で、週間損失に向かっている。このほか、中国での石油精製所の減少および工場の生産の鈍化も追い打ちをかけた。
- 天然ガスは2.44%減の2.717ドル。
- 金は0.04%上昇し、1オンス=2,573.80ドル、銀は0.16%上昇し、1オンス=30.610ドル、銅は1.6%上昇し、1ポンド=4.1420ドル。
米先物 05:30 ET
ダウ先物は0.44%減、S&P500先物は0.63%減、ナスダック100先物は0.88%下落。
外国為替 05:30 ET
- 米ドル指数は0.15%減の106.51、ドル/円は0.60%減の155.30、ドル/豪ドルは0.25%減の1.5453。
- パウエル議長の強硬な発言により米国債利回りが上昇し、それに伴って株式市場に圧力がかかったことを受けて、米ドルは1年近くの高値圏に乗せた。このため、ユーロや金、原油価格が下落した。