先週木曜、EV(電気自動車)大手のTesla Inc.(NASDAQ:TSLA)は、「Tesla Semi」という車種のための新しい充電設備「V4キャビネット」の導入を発表した。なお、この車種は2026年に生産が開始される予定だ。
出来事の内実: Teslaは、V4キャビネットは400V-1000Vの電気自動車のアーキテクチャをサポートし、車両に最大500kW、Tesla Semiには最大1.2MWまでの電力を供給できると説明している。このキャビネットは、1基のキャビネットのあたりのポスト数が8本で、スタンド数が従来のものの2倍になっている。
Teslaは自社のV3キャビネットを使用していたため、少なくとも昨年、V4キャビネットを導入している。
なお、TeslaがV4ポストの提供を開始したのは昨年のことだが、昨年まで同社はV3キャビネットを使用しており、出力が限定されていた。
また同社によると、V4キャビネットは、Teslaが新たに導入する車種「Cybertruck」の充電速度も30%向上させることができるという。
Max de Zegher、Teslaの北アメリカ充電担当部長は、新しいV4キャビネットの効率改善を強調し、「小さな改善がいくつかあるが、その中でもV4キャビネットは2%の効率改善がある。なお、スーパーチャージャーは既に年間5テラワット時間以上、100ギガワット時間以上の廃熱を排出しており、これを節約できるようになる」と述べた。
これは、米国の平均的な9,000戸の家庭の年間の電力使用量に相当するという。これは米国エネルギー情報庁(EIA)のデータによると。
今回の出来事の背景: 第3四半期末時点では、Teslaは世界中に6,706基のスーパーチャージャーステーションと62,421基のスーパーチャージャーコネクタを有している。
なお、6月に行われたTeslaの株主総会で、CEOのイーロン・マスク氏は、4月の大規模リストラに続く大規模なリストラについて、「自社のスーパーチャージャーネットワークが終了する」という噂を「大きく誇張されたもの」と一蹴した。
マスク氏はこのリストラに伴い、同社は今年、ネットワークの拡大に5億ドルを投資すると述べた。
なお、このリストラの一環として、Teslaのスーパーチャージャーチームの500人が解雇され、当時のTeslaの充電インフラ担当上級ディレクターだったRebecca Tinucci氏も同社を退社している。
写真提供: Tesla