Amazon.com Inc (NASDAQ:AMZN)は、1000億ドル以上の価値がある人工知能(AI)チップ市場で、Nvidia Corp(NASDAQ:NVDA)と競争しようとしている。
米国テキサス州オースティンにある研究所で、アマゾンのエンジニアたちは最新のAIチップ「トレニウム2」をできるだけ早く市場に投入するよう努力しているとブルームバーグが報告している。トレニウム2プロジェクトを率いるのはラミ・シンノ氏で、シンノ氏はアマゾンのチップ設計とテストを率いている。
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NvidiaがAIハードウェアで大きなリードを持っているにもかかわらず、アマゾンはAIソリューションの競争力を持たせるための外部サプライヤーへの依存を減らすという野望は徐々に実現しつつある。
アマゾンの最新のAIチップ「トレニウム2」は、前モデルの計算能力の4倍、メモリの3倍の性能を持っており、との報告がある。
エンジニアたちは内部コンポーネントを減らし、熱管理を改善することで、同チップの設計を改良している。同チップはアマゾンのAI機能の拡張と、AIハードウェアのNvidia製品に対する低コストな代替手段の提供の中心となっている。
アントロピックを含む著名なAIスタートアップは、自社のワークロードにアマゾンのトレニウムチップを採用している。先週、アマゾンはアントロピックへの出資を80億ドルまで増額し、同社とのAI技術進歩に関する提携を強化し、アントロピックをクラウドプロバイダーとしてAWSを位置づけている。
10月、アマゾンは企業向けにコスト効率の良いAI構築ソリューションを提供するために、Databricksとの5年契約を締結した。
この提携は、アマゾンのトレニウムAIチップに焦点を当てており、AIカスタマイズ向けに広く使われているNvidia製GPUに対する予算にやさしい代替手段を提供している。Databricksは、同チップの使用によるコストの削減を顧客に伝え、AIハードウェア市場でNvidiaの優位性に挑戦している。
アマゾンはソフトウェア開発においても課題を抱えており、その点でNvidiaには及んでいない。アマゾンのNeuron SDKはまだ初期段階であり、同社はAI開発者に提供するNvidiaと同じ手軽さと柔軟さに達する必要がある。
一方で、Nvidiaのブラックウェルチップが2025年初頭まで市場に出ることはない。このことはAWSのような大きなクライアントに影響を及ぼし、AWSは自社のデータセンター向けに大量生産のブラックウェルチップを待たなければならない。AWSのマット・ガーマン最高執行責任者はブルームバーグテレビジョンのインタビューで、Nvidiaが生産体制を調整していることを理由に、この遅れを強調した。
9月には、DAデビッドソンのギル・ルーリア氏がキーファクターとして、AIの進歩とクラウドのリーダーシップの低下を挙げて、マイクロソフト(NASDAQ:MSFT)の格付けをニュートラルにダウングレードした。ルーリア氏は、データセンターの進歩においてAWSとAlphabet Inc Google CloudがマイクロソフトのAzureを上回っていることを指摘し、マイクロソフトのAIリードが縮小したことを挙げた。Luria氏は、AWSやGitLabなどの競合他社がGitHub Copilotに追いついており、マイクロソフトのイノベーションの最先端に挑戦していることも指摘した。
株価の動き:AMZN株は金曜日、197.12ドルで0.64%安の終値をつけた。
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