次期大統領に選出されたドナルド・トランプ氏は、米国立衛生研究所(NIH)の所長に、大規模な封鎖措置に対する批判やワクチン接種の義務化に対する立場で知られる、スタンフォード大学の医師兼経済学者であるジェイ・バッタチャリア博士を指名しました。
バッタチャリア博士は、大規模な封鎖に反対し、脆弱な人々を「重点的に保護」し、低リスク層のうちウイルスが広まりやすいグループに感染させて集団免疫を形成することを提唱する大論争を巻き起こした2020年の宣言「グレートバーリントン宣言」の共同筆者として名を馳せました。
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この宣言は、一般的な科学者や公衆衛生関係者から広く批判を浴びており、バッタチャリア博士を公衆衛生の議論の中で分裂をもたらす人物として位置づけています。
上院による承認が行われた場合、バッタチャリア博士は48億ドルの予算と27の研究所を管轄し、がんや糖尿病などの疾病に関する重要な研究を資金提供することになります。ニューヨーク・タイムズが報じたところによると、バッタチャリア博士は、NIHについて重要な改革を求め、同機関が「グループシンク」に陥り、根強い公務員による権限の乱用が悪化原因であると主張しています(NPR報道)。
トランプ氏はトゥルース・ソーシャルの投稿で、「ジェイとRFK Jr.は、アメリカの慢性疾患や疾病といった最大の健康課題、およびその原因や解決策について調査を行うことで、NIHを医学研究の金の基準に戻します」と書いています。
ただし、バッタチャリア博士が過去に新型コロナウイルス関連の政策においてとった立場を考えると、科学に対する公衆の信頼に悪影響を及ぼす可能性があるとして、批判者たちからは懸念の声が上がっています。前NIH所長であるフランシス・コリンズ博士は以前、バッタチャリア博士の見解を「マイノリティビュー」として退けていました。しかし、彼は、パンデミック対策が経済的および社会的考慮を犠牲にして、公衆衛生の目標を過度に優先していた可能性があると認めています。
バッタチャリア博士のNIHの共同リーダーであるトランプ氏の選出候補であるロバート・F・ケネディ・ジュニア博士との提携についても、この問題が懸念を煽るものとなりました。ケネディ博士は、ワクチンやその他の健康対策に関する非科学的な理論を推進してきた経歴があり、彼らのリーダーシップのもとで、NIHの研究優先事項がどのように変わっていくかについては疑問が投げかけられています。
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写真:シャッターストック