ピーター・ティール（Peter Thiel）氏が最近、The Joe Rogan Experienceの収録中に、ロサンゼルスなどの都市からマイアミやオースティンなどの人気のある移住地への事業の移行の課題について率直に語った。新型コロナウイルス感染症の世界的流行（パンデミック）によって、多くの人々にとって移住がより実現しやすくなったが、わずか数年で状況が劇的に変化したようだ。
パンデミック時代の移住
COVID-19の初期に、多くの企業や個人がカリフォルニア州やニューヨーク州など高税率の高いコストのかかる州を去る動きがあった。ティールもその一人で、2020年9月にマイアミで不動産を購入した。「僕が買った当時よりも物件価値が100%増えているだろう」とティール氏は話している。
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ロガン氏も2020年にオースティンに移住したが、その際、ビジネスを根こそぎ持ち上げる困難さについて振り返った。「私にとっては非常に難しいことであり、私のために働いてくれていた多くの人々を連れて行くことになった。ビジネス全体を持っていくわけだからね」とロガン氏は語った。
現代の移住コスト
ティールは、パンデミックの頃に比べて、今日の移動ははるかに難しく、そしてよりコストがかかると指摘した。マイアミやオースティンなどの人気のある移住先では、不動産価格が急騰し、2020年以降に比べて倍近くになっている。住宅ローンの金利も急騰し、3%台から6.5%以上に上昇している。
ティールによると、最近数年で住宅購入コストは4倍に増加しているという。これにより、会社が移転を検討する際の決定が難しくなっている。なぜなら、オフィススペースや従業員の住宅に対して支払うことが増えるためだ。
金融業界は他の産業よりも移転が柔軟だ。伝統的にニューヨークを中心とした金融業界だが、この業界の企業はフロリダに移転することに成功している。ティール氏によれば、プライベートエクイティファンドや銀行はより簡単に分散化でき、パンデミック中のマイアミの金融ハブとしての台頭は、この変化の証拠だと述べた。
しかし、テクノロジー企業は移転の際により難題を突き付けられることになる。シリコンバレーは深く結びついており、そのため移転は難しくなる。ティール氏は、かつてのデトロイト自動車産業のように、シリコンバレーも複雑な結びつきを持っており、最終的には悪質な経営が解散につながるまで力を維持していたと表現した。
カリフォルニア州が持つテクノロジーの影響
ティール氏とロガン氏は、カリフォルニア州がテクノロジー分野で独占的な地位を占めていることについても話を交わした。仮想通貨などの技術の進展によって一部の柔軟性が生まれたとしても、AIの台頭によって再びテクノロジーはサンフランシスコ湾エリアなどの中心地に再集約されているとティール氏は冗談を交えて語った。ティール氏は、「もし仮想通貨がリバタリアン的なものだとするなら、AIは共産主義的なものだとも言っていいだろう」と冗談を交えて語っている。なお、ティール氏の言葉を鵜呑みにするわけではないが、（AI企業の）中央集権的な構造を強調するための例えである。
カリフォルニア州は高い税金と生活費にも関わらず、そのネットワーク効果がテクノロジー産業をそこに留め続けている。
ティール氏もロガン氏も、移住自体は可能だとは考えているが、それには以前よりも大きな障壁がある。ティール氏は、カリフォルニア州からの継続的な移住が最終的には州に問題に対処するように圧力をかけることを願っているが、その可能性は低いとしている。
ロガン氏は次のように述べた。「彼らは君たちがカリフォルニアを去りたくないことを理解している。私もカリフォルニアを去りたくなかったもの。カリフォルニアは素晴らしいから」
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