JPモルガンによると、米国のラージキャップバイオファーマ銘柄は、投資家の2025年の見通しを形作る感情が混在する中、2年連続で総じてより広範な市場に対して低迷している。
政治的な不透明感やセクターローテーションなどの要因により、S&P500に対するバイオファーマセクターの業績は、企業の基盤の強さや薬剤のパイプラインの進歩にもかかわらず、低迷している。
2024年、バイオファーマ銘柄は28.5%の急騰に対して9.6%上昇したが、これはS&P500を下回る結果となった。ただし、JPモルガンのアナリストは、いくつかの主要プレーヤーに対して引き続き前向きな見通しを維持している。
2025年1月13日から16日にかけて予定されているJPMヘルスケアカンファレンスに先立ち、JPモルガンは2025年を迎える米国のラージキャップバイオファーマグループに対する投資家の期待の一部を紹介している。
肥満は、この業界のメイン関心事であると期待される。バイオファーマ業界の以下の進展に対する焦点は、肥満治療と関連する薬剤の革新の重要性の高まりを示している。
- Eli Lilly And Co(NYSE:LLY):生産能力の拡大と消費者へのダイレクトマーケティングが軌道に乗り始める中、インクレチン療法への重点がさらに置かれるようになる。鍵となるデータのカタリスト:小分子GLP-1(詳しくはこちらの記事をご覧ください)に対するオルフォグリプロン(オゼンピック(Ozempic)のジェネリック医薬品)の第3相試験結果。
- 2型糖尿病におけるチルゼパティドの初期治療成績。
2025年には、数々の新製品が発売される予定だ。その中で注目なのが、Bristol Myers Squibb & Co(NYSE:BMY)で、統合失調症のための新薬コベンフィ(Cobenfy)の発売が期待されている。
JPモルガンのアナリスト、クリス・ショット氏は、2025年下半期に期待されているより幅広い保険補償が確立すれば、こうした新薬が強力に浸透すると予想している。
Gilead Sciences Inc(NASDAQ:GILD)もまた、2025年の中頃に予防投薬としてのレナカパビル(Lenacapavir)の発売に向けて準備を進めており、有望な導入が2026年までに予想されている。
さらに、JPモルガンはMerck & Co Inc(NYSE:MRK)の肺動脈性高血圧症の治療薬「ウィンレバイル(Winrevair)」(早期の期待を既に上回っている)や、Gileadの原発性胆汁性胆管炎の治療薬「リブデルジ(Livdelzi)」(アクセスが改善するにつれて2025年にはさらなる成長が見込まれる)についても注視している。
アナリストは、企業が2024年に比べて一段と活発なビジネス開発への取り組みをどのように進めているのか、その最新情報を注視している。 ラージキャップ企業による取引の規模やタイプには大きな変更が予想されていないものの、JPモルガンは2025年にはM&Aに関する動きが活発化するものと予想している。
250億ドル以上の大型取引が実行される可能性は低く、規模2,000億~1,500億ドル程度の中型取引は、後期の低リスク資産に焦点を当てることが予想される。
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