米国の人工知能(AI)銘柄が過熱しているため、投資家のレイ・ダリオ氏が、2000年に起きたドットコムバブルと同様のバブルが起きる可能性について警鐘を鳴らした。
出来事:米国最大のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエイツを創設したダリオ氏は、AI銘柄の高騰する評価について警告を発し、同銘柄の高値と利上げリスクによるバブルの可能性について警鐘を鳴らしている。
ダリオ氏は、英フィナンシャル・タイムズに対し「現在のサイクルが1998年から1999年の間にあったところと非常に似ている」と述べた。
ウェブ・サービスの利用者が急速に増加しているとのダリオ氏の懸念を考えると、これまでにはないほどのペースでAI銘柄の評価が高騰しているという点に関しては、インターネットバブルが形成される過程においてのドットコム期に似ているという見方ができる。
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ダリオ氏は、1998年から1999年の間、画期的な技術が世界を根本から変えるという約束をした状況に現在が似ていると指摘した。しかし、大変革的な技術が生まれたからといって、それが必ずしも成功した投資機会に結びつくとは限らないとも警告している。
ダリオ氏がこのような懸念を示したのは、既に不安定化している市場にさらなる重圧を与える、連邦準備制度が今月に入り、米国の利上げ期待を引き下げようとしたことが背景にある。
その理由:月曜日、中国のAI企業DeepSeekは、AIモデルに関してOpenAIやMeta Platforms(NASDAQ:META)よりも優れた実績を出したと発表し、米国企業を追い抜いた。このニュースが市場を直撃し、AI銘柄の市場価値は急落した。 これによって、AIに焦点を当てるチップメーカーのNvidia(NASDAQ:NVDA)の市場価値も大きく下がってしまった。
ダリオ氏は、長年にわたって中国との経済関係を擁護してきたが、AIの分野での賭けは非常に大きいとして懸念を示している。「中国と米国のテクノロジー戦争は、経済的な優位性だけでなく軍事的な優位性の観点からも、利益よりもはるかに重要だ」とダリオ氏は語った。
月曜日の市場の反応にも関わらず、トップアナリストはAIインフラの需要が今後も上昇し続けると示唆している。 Deepwater Asset ManagementのパートナーであるX、旧称Twitterの創設者であるジーン・ミュンスター氏は、「私は市場がDeepSeekの成功に反応しすぎていると考えている」と述べた。
一方、DeepSeekは、AI分野での注目度が増しているに伴い、自社サービスに対する大規模な悪意のある攻撃にさらされたと報告した。 これにより、DeepSeekのウェブサイトがダウンするトラブルが発生し、それに続いて同社のAIアシスタントが米アップル社のApp Storeで無料アプリの中でトップにランクインするという出来事が起きた。
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