米国食品医薬品局(FDA)は2月14日、1つ以上の内分泌療法で進行した乳癌の成人患者を対象に、AstraZeneca plc(以下、アストラゼネカ)と第一三共が共同開発した「エンヘルチュ」(トラスツズマブデルクステカン)の新たな適応を承認した。
この承認は、優先審査と画期的療法指定の取得後に与えられたもので、この承認はDESTINY-Breast06第3相試験の結果に基づいている。
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試験では、エンヘルチュのほうが化学療法に比べて36%の疾患進行または死亡のリスクが低かった。エンヘルチュは、化学療法を行ったことのないHER2陽性低乳癌またはHER2超低乳癌の患者全体の試験人口で用いられた。エンヘルチュは、化学療法を受けた患者と比較して、中央値進行生存期間(PFS)が8.1か月から13.2か月に延長された。
また、全体の試験人口での目標となる反応率(ORR)は、エンヘルチュが62.6%、化学療法が34.4%だった。
HER2超低発現を持つ患者の試験からは、HER2陽性乳癌とHER2超低発現乳癌の間に一貫した結果が得られた。
これにより、エンヘルチュの米国におけるこの適応取得により、第一三共はアストラゼネカに1億7500万ドルのマイルストーン支払いを行うことになっている。
第一三共は、アストラゼネカがエンヘルチュの米国での売上の中で自社が持つ粗利益の一部を、同社の財務諸表においてアライアンス収益として報告することになる。
最近、FDAはアストラゼネカの「ダトロウェイ」(ダトポタマブデルクステカン、またはデートDXd)をも承認しており、この薬剤は、1つ前の内分泌療法および化学療法を受けた、摘出不能または転移性ホルモン受容体(HR)陽性、HER2陰性(IHC 0、IHC 1+またはIHC 2+/ISH-)乳癌を患う成人患者において使用することができる。
株価動向:最終確認時点で、アストラゼネカの株はプリマーケットで0.09%高の70.14ドル取引されている。
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