Apple Inc(NASDAQ:AAPL)が中国で失った市場の復帰を狙って、秘密兵器を見つけた可能性があるかもしれない――その兵器とは、Alibaba Group Holding Ltd (NYSE:BABAF)(NYSE:BABA)のことだ。
多くの月にわたる不確実性ののち、Appleは報道によると、中国のテクノロジー巨人と提携し、同社のiPhoneに人工知能(AI)機能を提供することになったという。これにより、投資家たちには祝杯を挙げる理由ができたわけだ。
AppleのAIの賭け
この動き、もっとも良いタイミングで出たと言えよう。AI搭載スマホが好調の中国市場で、華為(Huawei)がAppleのシェアを奪い始めており、一方でAppleの最新iPhoneには、AIを活用した販売ポイントを欠いていたからだ。
iPhone 16 が中国のスマートフォン補助金を受けて急成長を遂げている今、中国でのスマホ販売の火付け役になるかもしれない、というのがAppleのAI駆動型アップグレードの経緯だ。
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JPモルガンが見るゲームチェンジャー
JPモルガンのアナリスト、サミック・チャッタジー氏はAppleのこの動きを、ゲームチェンジャーと見ている。Appleは現時点でこの件については黙っているものの、報道によると同社はAIモデルを中国当局の規制当局に提出済みで、その結果、iPhone 17 サイクルの前倒しを果たすことになるだろう。
チャッタジー氏は、このAI統合がAppleのリプレースサイクルに投資家の自信を持たせ、同社株の次期利益率多重ピークが32倍〜33倍の範囲に到達する可能性があると予想している。
AIにおいてAlibabaがBaiduを打ち負かす
Appleは当初、中国でのAIパートナーとして、Baidu Inc(NASDAQ:BIDU)を見据えていたが、同社の進捗について報告が挙がらなかったため、Baiduは不採用となったという。その代わりAlibabaが選ばれたが、その一因として同社が持つ大規模なユーザーデータが挙げられる。このデータがあれば、AppleはよりカスタマイズされたAIモデルのトレーニングを補完することができるからだ。
昨四半期、iPhoneの販売がAI機能を欠いていたために打撃を受けたことを踏まえると、この提携がAppleにとっては中国でのAI搭載製品の復活への切符になるかもしれない。
では、大問題:AppleのAIの賭けは、Huaweiを追い払うには十分なのだろうか?
投資家たちは、それがそうだと考えているようだ。本日終値は1株232.62ドル(約25,506円)、前日比2.18%上昇で終えた。
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