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バークシャー・ハサウェイの年次総会に出席するウォーレン・バフェット氏(写真)
ウォーレン・バフェット氏は、米国株への長期的な楽観論を取り続けると伝えたいと述べた。
バフェット氏は、「バークシャーの資金状況については一部のコメンテーターが驚異的だと見なしているが、お金の大多数は株式になる」とし、新たな株主宛の年次報告書でこう述べた。「この傾向は変わることはない」
バフェット氏は、バークシャーが保有する大量の現金に関心を寄せる多くのニュース記事に反応したようだ。過去数週間のいくつかの見出しを以下に示す。
なぜバフェット氏は大量の現金を保有しているのか? – WSJ
投資家がバフェット氏の年次報告書を待つ中、バークシャー・ハサウェイはなぜ現金をため込むのか? – フォーチュン
バークシャー・ハサウェイは株式を大量売却、バフェット氏は市場と逆行 – Barron’s
バフェット氏の大量の現金とバークシャーの投資者向け報告書で注目すべき3つのこと – MarketWatch
バークシャーの現金は、前年比1676億ドルの3.34兆ドル(約X円)となった。
バフェット氏は、バークシャーが保有する「売却可能な」株式(株式市場で引き続き取引が行われる企業)の価値は去年減少したと認めている。
しかし、バークシャーが保有するポートフォリオのホリスティックな視点も取り上げており、これには同社が所有する189社の会社が含まれる。これには、GEICO、Precision Castparts、BNSF、Pilot Travel Centers、Clayton Homes、Fruit of the Loomのように株式市場で取引されていない企業が含まれる。
バフェット氏は、「昨年、売却可能な株式の保有金額は3540億ドルから2720億ドルに減少したが、非公開の株式の価値は若干上昇し、売却可能なポートフォリオの価値よりもはるかに大きくなっている」という趣旨のコメントを発表した。
ビジネスは「通常、解決策を見つける」📪
コメンテーターたちは、バークシャーの四半期報告書や年次報告書について、それぞれ好きなように解釈してもよいだろう。
しかし、バフェット氏の米国ビジネスに対する長期的な楽観論は変わっておらず、それが債券や現金よりも株式に投資する理由である。
バフェット氏は、「バークシャーの株主は、その大半の資金を株式に投資し続けるということをいつまでも安心してください。その中で最も多くのものはアメリカ株だが、その多くは重要な国際事業を展開している」と記している。その上で、「バークシャーは、支配下にある良質のビジネスに対する所有権を、それが部分的でも完全であっても、現金同等の資産の所有権を選択することはないだろう」と述べた。
バフェット氏のコメントは、米国の債務や赤字、トランプ前政権がこれらに対処しようとしていることを主要な見出しの一つになった。
この分野のいかなる動きも、ドル、金利および経済活動全般に対する影響をもたらす。
バフェット氏は、「紙幣は財政の愚行が支配すると価値が消失する可能性がある」と改めて指摘。その上で、「ある国では、こうした無謀な慣行が慣例化しており、米国の短い歴史の中で、アメリカはそうした危機に何度も瀕してきた。定額クーポン債は、暴走する通貨に対する何らの保護も提供しない」と述べた。
ビジネスには進行中の新たな課題に対する完全なる免疫があるわけではないが、歴史は繰り返し見せているように、ビジネスは成長を追求する姿勢の中で迅速な適応と進化を示すことができる。(先週のTKerでも議論した。)
バフェット氏は、「ただし、個々のビジネスに望まれる人材は、その商品やサービスが米国の国民によって望まれ続けている限り、通常、金銭的な不安定性に対処する方法を見つけることができるはずだ。私は米国企業の成功に依存しており、これからもそうするだろう」と述べた。
長期的な視点が最良の解決策🔭
これらすべてが、株はこれから先一直線に上昇するということを示唆しているわけではない。
バフェット氏は、「私は株式市場のタイミングが良くない」と述べており、彼がその言葉の通り、タイミングは完璧ではない。
事実、バフェット氏の最も楽観的なエッセイの1つである、2008年10月16日付のニューヨーク・タイムズ紙の寄稿記事「アメリカの株を買おう、私が買う」は、その後2009年3月の市場安値で終了したまでの間にS&P 500がさらに26%下落した後に発表された。
しかし、最終的には彼の投稿のテーゼは成立しており、その時点で米国株を購入した人々はその後の数年間で非常に良い成績を収めた。
バフェット氏が提唱するアメリカの資本主義は、企業が優れた商品やサービスを生み出せるようになることだけでなく、それがよくある克服困難に立ち向かう方法をよく知っていることについても語っている。
投資家は常に短期的なボラティリティに備えるとともに、最終的には勝者となるであろう長期的なゲームに焦点を当てるべきである。