欧州の国防株が急伸する一方で、米国の国防株は動きが停滞している。
英フィナンシャル・タイムズ誌の報道によると、トランプ大統領は、欧州に自国の安全保障負担を求める要求を再び行い、さらに五角大臣の支出削減を計画している。 このため米国の国防大手の株価は低迷している。
欧州の国防株は急上昇、アメリカの国防株は低迷
トランプ大統領のこのような動きを受け、ドイツのRheinmetallの株価は3割近く急騰し、韓国のHanwha AerospaceもNATO再軍備の取引によって7割以上の上昇を記録している。
一方で、米国の大手国防企業であるロッキード・マーティン(NYSE:LMT)とノースロップ・グラマン(NYSE:NOC)の株価は、それぞれ13%、10.8%下落しており、これはペンタゴンとの契約が縮小するという懸念が投資家の感情を圧倒しているためだ。
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米国株の勝ち組と負け組
Rheinmetall Hanwha Aerospace (-10.8%)が最も大きな打撃を受けたが、ボーイング(NYSE:BA)は2.5%上昇しており、トランプ大統領の就任以降は一人勝ちの状態だ。
RTX Corp(NYSE:RTX)の株価は比較的安定しているが、ジェネラル・ダイナミクス(NYSE:GD)(-9.3%)、L3ハリス・テクノロジーズ(NYSE:LHX)(-10.3%)といった企業も目立つ下落を記録している。
投資家への影響:方針転換か、堅実な経営を続けるか
投資家にとって、この動きは明白だ。資金が動き、それは大西洋を横断する方向に向かっている。
欧州の国防予算が膨張し、米国がベルトを締め直す中、iシェアーズMSCIヨーロッパETF(NYSE:IEUR)やSPDR S& P航空宇宙&防衛ETF(NYSE:XAR)のようなETFは、米国株重視の競合商品よりも短期的な上昇をもたらす可能性がある。
米国の国防請負業者が新たな国際契約を締結するか、国内の予算削減を乗り越えることができない限り、米国の国防株は中立の立場に留まるかもしれない。一方で欧州のライバルは株価を引き上げ続けるだろう。
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写真:シャッターストック