スーパーマイクロ・コンピューター(NASDAQ:SMCI)社は大きなピンチを乗り越えたばかりであり、ウォール街が賞賛していると報じられている。
人工知能(AI)に特化したサーバーメーカーは、ナスダックの開示要件に再準拠したと発表し、水曜のプレマーケット取引で26%以上急騰した。
しかし、上場廃止の脅威がなくなったとはいえ、テクニカルのシグナルからは、この急騰が順調なものではない可能性が見えてくる。
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SMCI株は穏やかに上昇、しかし売り圧力が警鐘を鳴らす
現在までのところ、SMCIの株は今年に入ってからは51.55%上昇しているものの、過去5日では22.64%減少している。現在のトレンドは穏やかに上向いているものの、売り圧力が増加しており、ベアリッシュのシフトの可能性が出ている。
技術的には、50.28ドルの8日移動平均線と、52.75ドルの200日移動平均線は、引き続いての抵抗を示唆する。ここからの引き返しのリスクが高まっている。しかし、20日移動平均線が41.88ドル、50日移動平均線が36.24ドルという点にはサポートがあり、両方共に買いのシグナルを示している。
一方で、5.80の移動平均収束拡散(MACD)は上昇基調を示しているが、63.50のRSI(相対力指数)から見ると、SMCIの株は過熱気味である。70(買いが過熱)に近づく動きが見られた場合、引き返しの動きが起きる可能性がある。
ナスダックの上場廃止の危機を乗り越える
スーパーマイクロは、遅延していた2024会計年度の連邦規制値を報告し、米国証券取引委員会(SEC)に提出した。その結果、ナスダックからは再度のゴーサインが出た。このことで同社は、前回の監査人であるアーンスト・アンド・ヤングを失った後、内部統制の弱点を発見されるという一大事から解放されたのだ。BDO社(BDO USA)による新たな監査で同社の数字は確認されたが、それと同時に企業統治に関する問題も指摘された – 投資家が見過ごすべきではない。
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スーパーマイクロは大荒れの市場を横目に、ビジネスを着実に推進している。ナスダックから再度のゴーサインを得たことで、同社の売上高は2024会計年度において14.99百万ドルで、2倍以上に跳ね上がったのだ。この急成長の裏には、Nvidia Corp(NASDAQ:NVDA)のグラフィックス処理ユニットへの需要が推進している。同社の顧客の中にはイーロン・マスクの人工知能ベンチャー、xAIも含まれる。
SMCI株の先行きは?
ナスダックの上場要件再準拠のガイドラインが確立された以上、スーパーマイクロは鍵となる部分を取り除いたことになる。しかし、企業統治リスクや、潜在的な訴訟リスクについての疑問は残る。
同社の株がプレマーケットで急騰したことで、投資家は安堵を示しているが、この株がこれらの利益を維持可能かどうかについては、市場が同社の長期的なファンダメンタルズに対する信頼にかかっている。
投資家は、引き続き上昇トレンドを確認するために、抵抗レベルを突破する動き、または株を下落させる売り圧力のサインに注目すべきである。
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