AIクラウドスペースでの急成長が、CoreWeaveの上場(IPO)をテクノロジー業界で最も注目されるものの一つにしました。CoreWeaveは、Nasdaq取引所で自社株を「CRWV」というティッカーシンボルで取引する予定です。
しかし、熱狂の裏には投資家が見逃してはならないリスクもあります。特に公開前に内部人がキャッシュアウトする事態については、そのリスクは重要と言えるでしょう。
以下には3つの主要な懸念点を記載します。
1. Nvidia 依存は双刃の剣
CoreWeaveの成功は、そのほとんどがNvidia Corp(NASDAQ:NVDA)による最新型のGPUに依存しています。このGPUは、AIのワークロード向けにクラウドインフラを強化しており、CoreWeaveの事業を支えています。この提携はCoreWeaveの成長を支えてきましたが、同時にリスクも生み出しています。
Nvidiaは、企業向けテクノロジーサービスを提供するMicrosoft Corp.(NASDAQ:MSFT)、Alphabet Inc. (NASDAQ:GOOGL)(NASDAQ:GOOG)、Amazon.com Inc(NASDAQ:AMZN)などのテクノロジージャイアントを優先する形で、CoreWeaveがそのチップへのアクセスを制限する方針に変更をすることは十分あり得ます。供給を突如として中断された場合、CoreWeaveには大きな打撃となるでしょう。
投資家はNvidia自体がCoreWeaveに投資していることにも注意すべきです。これは、CoreWeaveがいかに独立した企業であるかという疑問を生じさせるものです。
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2. 190億ドルの評価は高すぎる
CoreWeaveの評価は、2023年に20億ドルからわずか1年以上で19億ドルに急騰しました。AIインフラへの需要が急増している一方で、投資家はCoreWeaveの急成長がこのような攻撃的な価格タグを正当化しているのか、という疑問を投げかける必要があります。
さらに懸念すべき点として、IPOの前に内部人が株を売却する動きが見られています。これは、長期的な評価の持続可能性について疑念が生じていることを示唆しています。月曜日に発表された同社のIPOの開示書によると、共同設立者で元商品トレーダーのMike Intrator氏、Brian Venturo氏、Brannin McBee氏の3人は、クラウドプロバイダーの計画に基づき、それぞれ少なくとも1億5000万ドルの株を売却しました(The Information報道)。
もしこの会社に最も近い者たちがキャッシュアウトしているのであれば、新たな投資家が飛び込むことを熱望する理由はないでしょう。
3. テクノロジージャイアントからの競争
AIクラウド環境の競争は激しさを増しており、CoreWeaveがたった一つのライバルというわけではありません。CoreWeaveは、Amazon Web Services、Microsoft Azure、Google Cloud からも競合企業として扱われており、この3社はより多くのリソースや、既存のエンタープライズ関係、そしてAIサービスのスケーリングを迅速に実現する能力という点で、CoreWeaveと競合しています。
CoreWeaveはいくつかのニッチな分野で最初に動いているかもしれませんが、1兆ドル企業からの競合に対してその優位性を維持することは、かなりの困難を伴うものとなるでしょう。
CoreWeaveのIPOは、多くのブームを生む可能性がありますが、投資家は一歩引いて考えるべきです。Nvidiaの依存、攻撃的な評価、そして競争の激化。投資家にとってはこれらのリスクも、機会と同じくらい重要なものとなるでしょう。
そして内部関係者が、一般投資家がまだ株を買える機会すら持ってない時点で株を売却しているのであれば、投資家が不安を感じるのも当然かもしれません。
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