ロビー・ミッチニック(Robbie Mitchnick)氏は、米資産運用大手ブラックロック(NASDAQ:BLK)のデジタル資産グローバル責任者を務めており、米経済の先行きが不透明な中で、ビットコイン(CRYPTO:BTC)にとって好材料になるとコメントした。
出来事: ミッチニック氏によると、米国の景気後退がビットコインの次の強気サイクルを大きく後押しするかもしれない。ミッチニック氏は資金の投入や財政対応策が鍵となるため、景気後退がビットコインにとって強力な推進力になるだろうと語った。
木曜日にヤフーファイナンスと取材を受けたミッチニック氏は、ビットコインはこれまで「デジタルゴールド」として捉えられてきたが、最近の価格動向では過小評価されている説明した。
ワシントンでの政策変更を受けて楽観的な見方もあったが、現在ビットコインの動きは低迷で2024年後半の急騰分を取り戻して約83,550ドルで推移である。
ミッチニック氏によると「暗号資産市場は、規制緩和などの推進力がどれだけ速く到来するかという期待に先走ったかもしれない」という。
また、2024年末までにビットコインが急騰したことに言及し、2025年初めはETFからの出資が続出し、慎重な姿勢が鮮明になっていると述べた。
そして、ビットコインの根本的な特性である希少性、非中央集権性、従来の通貨システムからの独立性は、特に経済的に厳しい時期には、長期的なヘッジ手段として位置づけられると主張した。
「景気後退がビットコインにとって大きな後押しになるだろう」とミッチニック氏はいう。
「ビットコインは長期の流動性を持つため、財政支出の増加、赤字が増え、低金利による利益を享受するだろう。それは景気後退の典型的な特徴だ」ともミッチニック氏は述べた。
金が経済の不確実性が高まる中で最近史上最高値を更新した一方で、ビットコインはそのトレンドを反映することが難しくなっている。
ミッチニック氏は、この理由の一因は短期的な相関関係や、ビットコインの持つ「リスクオン」の特性をどれだけ取り込んでいるかということであると指摘した。
「ビットコインが短期間に取引されている状況には、自己実現要素もある」とミッチニック氏は述べている
重要なポイント: ミッチニック氏はETF市場の動向についても話題にし、ETFからの資金流出は、主にヘッジファンドによる現物・先物裁定取引の解消が要因だと指摘した。
ミッチニック氏は、「長期保有は変わらず続いている」と説明し、株価の変動が激しい中、機関投資家からの関心が引き続き持続していると強調した。
トランプ政権が米国暗号資産戦略準備金を設立したことについて、ミッチニック氏は「これはデジタル資産領域内でのビットコインの独自性を強く支持するものだが、米政府がビットコインをどうやって蓄積するかという具体的な点に関しては見通しが立っていない」とコメントしている。
ミッチニック氏は、市場の逆風について認識しながらも、多くのプロの投資家が現在の株価安をチャンスと見なしていることを強調した。
また、「私たちが話題にするビットコイン愛好家の中には、この状況を買いチャンスと捉えている」とも付け加えた。
最近はハッキングの問題や規制の不透明さなど、暗号資産業過全体が直面している多くの問題にも関わらず、ミッチニック氏はビットコインが経済不安に対するポートフォリオのヘッジとして長期的に果たすと楽観的な見解を示した。
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