10月の採用停止が、連邦準備制度が利上げを行う可能性についての市場の期待を一段と上昇させ、木曜日の下落を受けて米国後押しした。
10月の米国経済は、9月より21万人少ない12,000人の職を追加した。これは2020年12月以来の最低月次ペースであり、113,000人の見通しを大幅に下回っている。
市場の価格設定は、来週の連邦準備制度の会議で25ベーシスポイントの利上げが完全に確率として反映されており、12月の利上げの可能性は85%に急上昇したと、CMEのFedWatchツールが発表した。
ハリケーンやストライキにより10月の雇用は落ち込む
10月の雇用動向がマイナスに推移し、総じて景気後退の様相を呈している一方で、ハリケーンやストライキのような要因が全米で大規模な雇用の混乱を引き起こしている。
ハリケーンのヘレンは9月26日にフロリダ州のメキシコ湾岸を襲い、10月9日にはハリケーンのミルトンが続いた。これにより広範囲にわたる避難命令が発令され、複数の経済部門に悪影響を及ぼしている。
労働統計局(BLS)の報告書によると、「ハリケーンによって一部の産業の雇用動向が影響を受けた可能性があるが、国民雇用の月次変動、時間、収益予測に対する最終的な影響を計量することはできない」と述べている。
さらに、製造業の解雇が増加し、46,000人の解雇者が発生している。これは2009年以来の最大であり、2020年3月と4月の新型コロナウイルス(COVID-19)の大流行月を除いては最大の解雇増加率となっている。「10月において製造業の雇用は46,000人減少し、大規模なストライキ活動による輸送機器製造業の44,000人減少を反映している」とBLSは補足している。
10月の停滞した雇用の増加にもかかわらず、失業率は4.1%で保たれ、企業が労働力の維持に向けてコミットしていることを示している。
利上げの期待が上昇、株式ETFも上昇
- 米国を代表するS&P 500指数をトラッキングするSPDR S&P 500 ETF トラスト(NYSE:SPY)は、木曜日の1.9%の下落後に0.7%反発した。
- テクノロジー銘柄が多いナスダック100をトラッキングするInvesco QQQトラスト(NASDAQ:QQQ)は、0.6%上昇している。
- 小型株の方が好調で、 iShares Russell 2000 ETF(NYSE:IWM)は1.2%急騰した。
- さらに、 Roundhill Magnificent Seven ETF(NASDAQ:MAGS)が1.4%上昇。木曜日には3.9%暴落し、7月下旬以来の急落率となった。
- セクター別では、6%のアフターマーケットでAmazon.com Inc.(アマゾン)(NASDAQ:AMZN)の決算後に6%急騰したことから、Consumer Discretionary Select Sector SPDR Fund(NYSE:XLY)が2%以上上昇し、一角を占めた。
- Direxion Daily AMZN Bull 2X Shares(NASDAQ:AMZU)は13%急騰した。
- 連邦準備制度が利上げすることが期待されたため、不動産関連のETFにおいても上昇が見られた。 iShares U.S. Home Construction ETF(NYSE:ITB)は1.8%上昇した。
- 半導体銘柄は、木曜日の3.9%の下落に続く反発を見せている。 iShares Semiconductor ETF(NASDAQ:SOXX)は1.6%上昇。 インテル(Intel)(NASDAQ:INTC)は市場予想を上回る決算を発表したことで、その他の銘柄の中でも特に好調だった。
- SPDRゴールドトラスト(NYSE:GLD)- 最も大きな物理支持のゴールドETFとなっている – も0.5%上昇し、木曜日の1.6%の下落を反発した。
- イランのイスラエルへの報復攻撃を受けて、中東地域における地政学的緊張が高まっている中、WTI原油の動向を追跡するUnited States Oil Fund(NYSE:USO)が1%上昇した。
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写真:シャッターストック