Alibaba Group(NYSE:BABA)の国際商取引部門は、木曜日に商人が商品や物資を調達するのを支援するAccio Agentを立ち上げ、オンラインビジネスの運営方法を変革することを目的としている。
Alibaba International Digital Commerce Group(AIDC)がQwenモデル上に構築したこのAIエージェントは、商品構想、試作品作成、コンプライアンスチェック、サプライヤー調達といった従来時間がかかっていた業務の最大70%を自動化できる。
同社によると、Accio Agentは商品発見、電子商取引、広告に根本的な変化をもたらす可能性がある。ライバルのAmazon.com(NASDAQ:AMZN)もAIエージェントを展開しているとSCMPは報じている。
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このリリースは、過去に2百万以上の商人が利用しているB2B検索エンジン「Accio」をAIDCが発表したことに続くものである。効率性の向上とコスト削減のため、AlibabaはAIを事業部門に統合することに躍起になっている。
しかし、この推進は激化する課題の中で行われている。ほかの中国のテック企業と同様に、Alibabaは国内の「AI人材戦争」に直面しており、上級研究者を競争相手に引き抜かれている。そうした状況に地政学的緊張がさらなる圧力を加えているのだ。
ライバルのテック企業は、AlibabaのオープンソースQwenモデルの背後にいる同済研究院のメンバーたちから積極的に人材を引き抜いている。注目すべき引き抜き例には、同済の音声研究所の元所長ヤン・ジエ、中国の大手テック企業Tencent(OTC:TCEHY)を短期間経てJD.com(NASDAQ:JD)に加わった人物、応用ビジョンの元所長ボ・リエフェン氏がいる。ボ氏はTencentの混元AIモデルチームに移籍した。
これに対抗してAlibabaは、エリートAI研究者を引き付けるためにスター・トップタレント採用育成プログラムを発表した。ByteDance、Tencent、JD.comとの競争が激化しているのだ。
地政学的な逆風もAI業界の様相を形作っている。北京はAlibabaやByteDanceを含む主要な中国テック企業に対し、国内の代替品ではなくNVIDIA(NASDAQ:NVDA)のH20 AIチップを購入する理由を説明するよう圧力をかけている。その結果、一部の企業では発注量を減らすことを検討している。
規制当局は、産業情報技術省を中心に、政府や安全保障プロジェクトにおけるH20チップの使用を思いとどまらせる一方で、HuaweiやCambriconのチップを推奨している。そうした中、DeepSeekはHuaweiのAscendチップがトレーニングに失敗した後、R2 AIモデルの立ち上げを遅らせ、同スタートアップは代わりにNVIDIAのプロセッサを使用せざるを得なくなった。
Huaweiが技術者を派遣して支援したにもかかわらず、この問題により同社ハードウェアは推論にのみ使用可能となった。米国の技術に代わるものを中国で開発しようとする動きには限界があることが浮き彫りとなった。
Alibabaの株価は今年に入ってから44%以上上昇し、クラウドコンピューティングとAI部門の牽引により、NYSE総合指数の9%リターンを上回った。
価格の動き:金曜日の最新取引でBABA株はプレマーケットで1.05%安の120.99ドルで取引されている。
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ShutterstockのMamun_Sheikhによる写真