ナップスター(Napster)共同創設者、またフェイスブック(現:メタ・プラットフォーム社)の初代社長であるショーン・パーカー氏の純資産は30億ドル(約3,310億円)に達したと『フォーブス』が報じた。
十代のときにハッカー、その後は資産家の起業家へと転身したパーカー氏は、その経歴の中で画期的なテクノロジー事業から慈善事業まで幅広い活動を展開してきた。
彼の起業家としての精神を象徴する言葉はこちら。「起業家として最も大きな挑戦は、自分のアイディアを他の人に隠したり、秘密にしたりすることではない。実際には、他の人があなたを狂っていると思わないように、そしてあなたがそれを実現できると信じてもらうことだ」とのべた。
以下は彼のキャリアの概要である。
ハッカーからナップスターへ:初期の経歴
バージニア州ハードンで生まれ育ったパーカー氏はハッキングから人生をスタートさせた。思春期の頃に彼は、大学やフォーチュン500社のシステムに侵入し、FBIの捜査を受けたことがあるが、その後は地域社会での奉仕活動に参加している。
19歳のとき、1999年にパーカー氏はショーン・ファニング氏とともにナップスターを共同創業し、音楽のコンテンツ共有プラットフォームを作り上げた。訴訟を経て事業を停止させざるを得なくなったが、ナップスターの功績によりパーカー氏はテクノロジー分野での革新者としての名声を確立した。
Facebookに入社、その先へ
2004年、24歳のときにパーカー氏はフェイスブックに初代社長として入社した。彼は同社について初期の投資の獲得やプラットフォームの方向性を決定することにおいて重要な役割を果たしていた。
2012年のフェイスブックのIPO(新規株式公開)に伴い、パーカー氏が持っていた同社株の4%のシェアは急騰し、彼の財政的地位を確固たるものにした。
2005年には物議を醸す逮捕をきっかけにフェイスブックの社長を辞任したが、パーカー氏のフェイスブックへの影響は一貫して続いていた。
フェイスブックを離れて以降も、パーカー氏の投資活動は彼の財産の維持に不可欠な役割を果たしてきた。2010年、彼はスポティファイ社(Spotify Inc)の株5%に対して1,500万ドルを投資し、2017年まで同社の取締役を務めた。
今年6月、画期的なテクノロジーに対する彼の信念を示す形で、パーカー氏はアーティフィシャルインテリジェンス(AI)企業であるスタビリティAI(Stability AI)の取締役会会長に就任した。
慈善活動と政治的影響
現在44歳、パーカー氏は彼の財産を慈善活動や政治活動に還元している。2015年には、生命科学、地球規模の健康、市民活動を支援するために6億ドルを資金提供するという意図で(Parker Foundation)を設立した。
特筆すべきイニシアチブには、癌免疫療法研究所(Parker Institute for Cancer Immunotherapy)やスタンフォード大学でのアレルギー研究への資金提供が含まれる。
政治的にはパーカー氏は、党派を超えた候補者たちに多額の寄付をし、2017年ジョブズ法(アメリカ合衆国の法律)の機会区域プロビジョン(Opportunity Zones)においてアメリカ国内の貧困層のコミュニティへの投資を促進するという重要な役割を果たした。
華麗な生活スタイルと文化的影響
パーカー氏の豪華な生活スタイルが知られている。彼は1億ドル以上にもなる資産を持ち、2013年の結婚式には450万ドルをかけた。
この結婚式は彼の贅沢な嗜好を強調するもので、その生態系に及ぼす影響については一部から批判の声が上がった。
ハリウッドはパーカー氏の影響力を不朽のものとした。ジャスティン・ティンバーレイク氏が彼を演じた作品『ソーシャル・ネットワーク』がそうである。ただしパーカー氏自身は、このキャラクターをフィクションの過剰表現として退けている。
次の一手:
- これらのアナリストが、第3四半期の決算発表に伴ってスポティファイの予想数値を引き上げ
最後に