米国の天文物理学者であるニール・ドゥグラス・タイソン氏は、地政学的なシフトによる後押しがない限り、SpaceXのCEOであるイーロン・マスクの火星への有人飛行の野望が実現しないだろうと述べ、それは純粋な探査プロジェクトとしては成り立たないとの見解を明らかにした。
出来事の内実 タイソン氏は、ビル・マハー氏とのインタビューで、「私はこれについて強い意見を持っています。宇宙探査の歴史を読むと、我々が重大で高額なことを行うことは、大抵の場合、我々が敵に脅威を感じたりといった地政学的理由からです。」と述べた。
火星への有人飛行が実現しないのは、マスク氏が次にやるべき大きなプロジェクトだと考えているためだとタイソン氏は述べ、その上でStarshipプロジェクトに対して投資を獲得するのは難しいとも述べた。
「彼が『火星に行こう』と言うところが理解できない。ベンチャーキャピタル家族の会議はどうなるんだ?『じゃあ、イーロン、何がしたいの?』『火星に行きたい』『いくらかかるの?』『1兆ドル』『危険でしょうが』『利益はどうなる?』『ない』。その5分後には会議は終わっている。それで実現しないんだ」
タイソン氏によれば、もし米国が中国から、火星に軍事基地を築く計画があるというメモが出されるような地政学的後押しがあれば、米国は火星に人間を送るでしょう。その場合、米国は10か月後に火星に到達することを目指し、そのためにNASAがSpaceXから宇宙船を取得するとタイソン氏は語っている。
「だから、政府が地政学的に我々の利益だと判断するまで、これが実現するとは思えません。」とタイソン氏は述べた。「火星に何の敵意も持っていない」
タイソン氏によれば、地球が居住不可能になった場合、地球を居住可能にすることに投資する方が良い。
今回の出来事の背景 一方、マスク氏はタイソン氏を見下した。
「うわ、彼らは本当に分かってないなあ。火星は意識の長期生存にとって重要なのだ。それに、ベンチャーキャピタル家族にはお金は頼まない。その投資としての意味がわからないことを認識している。だから理由を集めているんだ」と彼はつぶやいた。
マスク氏は以前、SpaceXの衛星インターネット部門であるStarlinkが、同社の宇宙船打ち上げロケットであるスターシップの搭乗資金を提供すると述べていた。
スターシップロケットは現在、開発および試験段階にある。スペースXはこれまでに同ロケットの6回のテスト飛行を実施しているが、輸送量はゼロだった。
「…私は、次の4年間で400回のスターシップの打ち上げがあっても驚かないだろう」と、Gwynne ShotwellCOO兼社長が、今月初めにニューヨークで開催されたBaron Investment Conferenceで発言した。
SpaceXは非公開企業だ。イーロン・マスク氏が公開企業であるTeslaを支持するのとは異なり、スペースXは定期的に財務データを公表しない。ショットウェル氏は、同会議で、今年同社がStarlinkで「利益を上げる」ことを発表した。
「私たちは今年、Starlinkで一部の利益を上げるつもりです。しかし、最終的には、スターシップが最も価値のある企業の一つになるでしょう」と彼女は述べた。
「私たちは今年、Starlinkで一部の利益を上げることになる。しかし、最終的には、スターシップは最も価値のある企業の一つになるでしょう」と彼女は述べた。
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