契約半導体製造業者の台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング・カンパニー(NYSE:TSM)の株価は火曜日、地政学的緊張の高まりに伴い、半導体製造の重要な部分を米国に移転するというワシントンの意向が鮮明になったことから動きが見られた。
トランプ政権は、米国のチップ製造量の半分を国内で生産するという目標のもと、台湾に製造拠点の一部を移転するよう促している。
米商務長官のハワード・ラトニックは、週末に発表されたNews Nationのインタビューで、ワシントンはすでに台湾側と「50-50」の生産分割について協議したと述べた。
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台湾は現在、世界の先端チップの90%以上を生産しており、この集中的な生産体制は台湾の中国に近いという地理的条件を考慮するとリスクがあるとラトニックは説明した、とCNBCが火曜日に報道した。
かつて世界の半導体製造業をリードしていた米国は、台湾セミコンダクターやサムスン電子(OTC:SSNLF)などのアジアの大手企業にその地位を明け渡している。
競争力を取り戻すため、ワシントンは補助金、関税、台湾企業との直接交渉を展開している。
米国の圧力に応じて、台湾セミコンダクターはすでに国内での活動拡大を約束している。 同社は2020年に米国での展開を開始して以来、米国の施設に合計1650億ドルの投資を約束しており、今年3月にはさらに1000億ドルの投資を発表した。
トランプ政権はまた、国内に工場を建設している企業には関税を免除するという条件で、輸入チップに対して100%の関税を課すと脅した。
ラトニックは、ドナルド・トランプ大統領の任期終了までに米国の国内生産量を40%に引き上げることを目標としており、この目標を達成するには5,000億ドルを超える投資が必要だと述べた。
台湾の半導体の優位性は長らく中国の軍事的侵略に対する「シリコンの盾」と見なされてきたが、ラトニックは生産分割をよりバランスの取れたものにする方が島の安全保障上のメリットが大きいと主張している。
この主張は、中国本土と領有権を争っている台湾近辺における軍事演習のエスカレートという形で中国が反論している。
このような地政学的な動きは投資家のセンチメントに影響を与えている。 ショートヒルズ・キャピタル・パートナーズのスティーブ・ワイス最高投資責任者兼創設者はCNBCのHalftime Reportで、台湾セミコンダクターでの保有株を切り詰めたものの、それでも同社株が最大の保有銘柄であることに変わりはないと語った。
ワイスは、単純に数年間の保有でポジションが大きくなりすぎたと説明したが、投資判断に至った背景にはより広範な地政学的・市場の動きがあることも指摘した。
ワイスは、米国の軍事支援に伴うウクライナやイスラエルからの補充需要によって部分的に促進されたミサイル生産の増加により、ロッキード・マーチン(NYSE:LMT)やノースロップ・グラマン(NYSE:NOC)などの防衛関連株が上昇している一方で、台湾セミコンダクターの株も上昇しており、同社の事業は「地上零点」(紛争発生の最前線)にあることを考慮すると、これは「不調和」だと指摘した。
「つまり、台湾セミコンダクターの事業の大半が台湾で行われているため、紛争の地上零点にあるということだ。 それにもかかわらず、今日の株価は上昇している。 それが引き続き懸念事項である」とワイスは語った。
価格の動き:TSM株は火曜日の時点でプレマーケットで0.41%上昇し、274.35ドルで取引されていた。
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