カナダはドナルド・トランプ大統領との分野別貿易協定に期待をかけている。とりわけ鉄鋼分野での協定は、米国による継続的な関税措置の中でカナダの経済の安定を保つうえで極めて重要だと見られている。
カナダと米国、鉄鋼・エネルギーの貿易協定締結を推進
カナダの工業大臣メラニー・ジョリーは、特に鉄鋼、アルミニウム、エネルギーに関して交渉で進展が見られていることに楽観的であると月曜に発表された。米国の関税措置はカナダの鉄鋼業に大きな影響を及ぼしており、工場の閉鎖につながる可能性のある事態を回避するために迅速な対応が必要な状況だった。
首相のマーク・キャニーと共にホワイトハウスを訪問したジョリーは「短期的に鉄鋼に関して何の措置も取らなければ、我々の工場がなくなってしまう」と述べた。米国との継続的な協議は、アルミニウムとエネルギーも含んでいる。
ワシントンを訪問したキャニー首相とジョリーは米国政府高官とこれらの貿易協定について話し合った。トランプ大統領はキャニー首相が会談を「非常に満足して」離れると確約したが、具体的な合意には至らなかった。しかし両首脳は、当局に対して協定締結プロセスの迅速化を指示しており、前向きな一歩だ。
自動車産業は板挟み
鉄鋼産業の価値は150億カナダドル（110億米ドル）で10万人以上の雇用を支えているが、ジョリーはカナダに不利益となるような形で自国の自動車分野を強化しようとする米国の計画に懸念を表明した。この問題は、今後見直される予定のUSMCA（米国・メキシコ・カナダ協定）の貿易協定における重要な論点になると思われる。
オンタリオ州ウィンザーで約2,000人のフォード労働者を代表するユニフォー・ローカル200のジョン・ダニョロ会長は、関税が雇用喪失につながりかねないと警告。もしキャニー首相が自動車産業に損害を与えるような協定を締結すれば、労働組合は強く反対する姿勢を打ち出した。
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貿易交渉における進展は、先ごろホワイトハウスを訪問したキャニー首相の動きを受けたもので、キャニー首相はそこで米国の自動車産業の競争力維持におけるUSMCAの重要性を強調した。
トランプ大統領は米加関係の複雑さを認識していたが、貿易交渉における 進展の可能性をほのめかしていた。
カナダの自動車産業は北米市場における重要なプレーヤーであり、フォード(NYSE:F)、ジェネラル・モーターズ(NYSE:GM)、ステランティス(NYSE:STLA)などの企業は、国境を越えた連携の長い歴史を持っている。
今月初旬、ジープ、ダッジ、クライスラーの親会社ステランティスは、最も収益性の高い市場である米国での地位を強化するために100億ドルの投資計画を発表した。この投資には、工場の再稼働、労働者の雇用、そしてイリノイ州やミシガン州の主要州における新モデルの立ち上げが含まれる可能性がある。
価格動向: 年初来のパフォーマンスで見ると、フォードとGMの株価はそれぞれ18.24％と7.75％上昇したが、ステランティスは23.24％下落した。 Benzinga Proのデータによる。
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