米国大統領選挙が近づくにつれ、現在の証券取引委員会(SEC)委員長であるゲイリー・ゲンスラー氏の後任についての憶測が高まっている。
2021年にジョー・バイデン大統領によって任命されたゲンスラー氏は、特に仮想通貨市場に関する規制姿勢に対し批判を浴びてきた。
両候補はともに、もし当選すればゲンスラー氏を任命しない意向を示している。
前大統領のドナルド・トランプ氏はゲンスラー氏を解任する計画を明言し、金融市場の規制制約を緩和させるための幅広い政策にも反映させている。
一方、副大統領カマラ・ハリス氏の選挙キャンペーンは、SEC委員長にゲンスラー氏の後継者がなる可能性のある候補者を調査し、SECの指導部をハリス政権の規制目標に合わせることを目指しているとされている。
複数の人物が、SEC委員長の地位について検討中であると報じられている:
- ヘスター・ピアス委員:仮想通貨に対する好意的な立場で知られる現職のSEC委員であるピアス氏は、仮想通貨業界内でのより明確な規制フレームワークの擁護を繰り返してきた。
- ブライアン・ブルックス氏:前米国銀行監督官代行兼仮想通貨分野の有力な人物であるブルックス氏は、デジタル資産を伝統的な金融システムに組み込む努力を認められてきた。
- クリス・ジャイアンカーロ氏:商品先物取引委員会(CFTC)の元委員長であるジャイアンカーロ氏は、デジタル通貨やブロックチェーン技術に対する好意的な見解で知られている。
- クリス・ブラマー氏:金融規制の専門家であるジョージタウン大学の教授であるブラマー氏は、ハリス副大統領のチームによってゲンスラー氏の後任候補として審査されていると報じられている。
- エリカ・ウィリアムズ氏:現在は公認会計士監査委員会(PCAOB)の委員長を務めているウィリアムズ氏は、SEC委員長の地位についてもハリス副大統領のチームによって検討されている。
新しいSEC委員長を指名することは、仮想通貨とデジタル資産についての規制環境、特にその動きに大きな影響を与えるものと期待されている。
ゲンスラー氏の指導の下、現在のSECは、多くの重要な組織に対して多数の執行命令を発動するなど、仮想通貨業界に対して厳格な姿勢を取ってきた。
指導部の変更は、政策の変化をもたらす可能性があり、デジタル資産にとってより収容可能な環境を育むことができるかもしれない。
SECの規制姿勢は、金融市場のダイナミクスやイノベーションに直接影響を与えるため、仮想通貨業界はこうした動きを注視している。
業界の利害関係者は、新たな指導が規制に明確性とバランスの取れたアプローチをもたらし、投資家保護を確保しつつ成長を促進する可能性があると期待している。
選挙の結果がSECの将来の方向性を決定するため、金融業界は規制政策と指導部の変更の可能性に関して懸念を抱いている。
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