マイクロソフト社(NASDAQ:MSFT) のCEOであるSatya Nadella氏は、かつてはOpenAI社の最大の支援者であり、ChatGPTの親会社に約140億ドルを投資していた。ところが、先日Nadella氏が同社のAIプレイブックを大幅に拡充し始めたとの報道が出ている。
出来事 2023年1月、中国のスタートアップ企業であるDeepSeek社が低コストのモデルR1で世間を驚かせた。このオープンソースプラットフォームは、ChatGPTと同等の性能を約4分の1のコストで提供できるという。
このモデルは、OpenAI社を通じて提供される場合1000ドルかかる計算結果を36ドルで提供することができた。これによって、投資家らは大いに動揺し、Nvidia(NASDAQ:NVDA) のリード下株価が6000億ドル近く下落した。
この件を受けてNadella氏は、OpenAIに対して大きな脅威が迫っていると判断し、急遽MicrosoftのトップAIエグゼクティブたちとTeams上で会議を開いた。
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“OpenAIは、これまで誰も追いついていないという立場でした”,とMicrosoftのCEOはBloomberg Businessweekに語った。”DeepSeekや、特にR1は、私が見た最初のモデルであり、いくつかの点を投稿しました”。
Nadella氏はDeepSeekを追い越そうとはせず、その代わりにAzure上でモデルを採用し、Microsoftの顧客に提供することを選択した。 “リリースしてください”と、彼は自分のチームに告げたという。
CEOは、OpenAIはひとつのプレイヤーでしかないという見解を持つようになった。彼は、Microsoftの独自のモデル、Meta Platforms, Inc。(NASDAQ:META)、OpenAI、Cohere、Mistral、Stability AI、およびDeepSeekなどのプレイヤーが含まれるようなモデルを提供する方針にシフトしたのである。
ただし、報告書によると、これはGoogle(NASDAQ:GOOG)(NASDAQ:GOOGL)の傘下企業であるGemini社の場合とは異なるとのこと。
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Nadella氏は、社内製のMAI-2のようなコスト効率の良いAIモデルを推進している。
報告書によると、OpenAI社CEOであるSam Altman氏が2023年に同社から一時的に解任されたという経緯が、Nadella氏がOpenAIに過度に依存することを避けるための対策として、Microsoft社が独自のAIモデルを構築している理由であるという。
“これまでのところ、OpenAIとの関係は本当にすばらしいものでした”,とMicrosoftの消費者向けコーピロット施策の責任者であるMustafa Suleyman氏はBenzingaに語った。”しかし、これは50年前に生まれた会社なので、2030年、2035年、および2040年には素晴らしい場所に存在している必要があります”。
なぜ重要なのか 今月初め、ChatGPTの親会社であるOpenAI社が2030年までにMicrosoftとの利益配分を少なくとも50%減らす計画を立てていることが報じられた。
また、両社はで高レベルの駆け引きをしているとも報じられている。この駆け引きにおいて、Nadella氏の会社がOpenAI社に対して複数十億ドルに上る投資の見返りとして新しい構造におけるエクイティをどれだけ獲得するかという大きな論点の間での交渉が行われるとみられている。
株価の変動 本日のプレマーケット取引の時間帯で、Microsoft社の株式は0.044%下落し、1株452.93ドルとなったとの情報がBenzinga Proのデータによって明らかになった。
Benzinga Edge Stock Rankingsによると、Microsoft社の成長スコアは91.54%となっている。同社の株式パフォーマンスを、AlphabetやMetaなどの他の主要株と比較してみたい場合はこちらをクリック。
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