テスラ(Tesla Inc.)のエロン・マスク最高経営責任者(CEO)による2018年の報酬体系が、株主総会で2度目の承認を受けた約6か月後の月曜日、再びデラウェア州の裁判官によって否決された。
出来事の経過:2021年1月、デラウェア州高等裁判所のキャサリン・マコーミック裁判官は、テスラの取締役会がマスク氏に影響を受けた形で報酬体系を採用したことを理由に、この報酬体系が無効になると裁定を下した。そして、6月に株主は再びこの報酬体系を復活させることを票決した。
しかし、月曜日になってまたマコーミック裁判官が報酬体系に反対の判決を下した。テスラはX上の投稿で「この判決は誤っており、多数の株主がこの報酬体系を支持していたにもかかわらず逆に裁定がなされた」と述べ、同社はデラウェア州最高裁判所に上訴する意向を明らかにした。ただし、通常、上訴は約1年かかることがある。
次の手順:テスラの取締役会議長であるロビン・デンホルムは、株主が再度この報酬体系を支持する前の6月に、この報酬体系が退けられた場合には複数の選択肢があると述べた。その後の取締役会では、新たな報酬体系の作成を検討することになったが、その決定により株主負担は増大し、また同社最高経営責任者(CEO)の動機付けが減少することになるとデンホルム氏は述べている。これはBusiness Insiderが報じたものである。
新しい計画の承認により、電気自動車(EV)大手の株主たちは、株式ベースの報酬としてさらに250億ドルを支払わなければならなくなるとデンホルム氏は語った。
2018年の報酬体系は、会社が特定のパフォーマンスおよび財務目標を達成した場合にマスク氏に株式オプションを授与するものだった。マスク氏はこれらの目標を全てクリアし、その報酬は巨額に膨れ上がった。この報酬体系は元々最大で560億ドルの価値があったが、最近のトランプ氏の大統領再選に伴う株式の急騰を受けて、その価値は現在、1,000億ドルを超えているとロイターの報道だ。
テスラによると、新たな報酬体系を作成するか、古い報酬体系を提供するかのどちらの選択肢にせよ、どちらも高額になり得る。訴訟で和解することは可能なのだろうか。株主の多数派がそのような選択肢を選択する可能性は低いが、マスク氏が過去に裁判に持ち込んだ例はない。