著名なヘッジファンド・マネージャーであるマイケル・バーリー氏は、自らのポートフォリオを大幅に変更し、引き続き唯一の上昇トレンドのポジションを維持している。
出来事:最近のSECの提出書が示しているところによれば、バーリー氏が率いるScion Asset Managementは、ポートフォリオにおいて大半のポジションをベアリッシュに転換したことが分かった。同社は、チップメーカーの株に対しプットオプションの重要なポジションを確立し、その点から見て、Nvidia(NASDAQ:NVDA)の株に対しては悲観的な見方をしていると考えられる。
同提出書には、Scionは以前は上昇トレンドを取っていた中国企業についてベアリッシュなプットオプションを購入し、その中にはAlibaba(NYSE:BABA)やBaidu(NASDAQ:BIDU)などの大手中国企業が含まれていることが明らかになった。
また、Scionの唯一の上昇トレンドにあるロングポジションは、ニューヨークに拠点を置く化粧品大手Estee Lauder(NYSE:EL)であるという点も注目すべきだ。化粧品産業は頻繁に不況にもかかわらず安定的な成長が見込まれているため、この独り立ちの上昇トレンドのポジションはバーリー氏の慎重な市場戦略を強調している。
ここ数年でバーリー氏がScionのポートフォリオを大きく変更したのは2度目で、2013年に同社の保有資産を大幅に減らしてから、間もなくして自分の誤りを認め、新たにフォーカスを当てた投資を行った。
なぜ重要か:マイケル・バーリー氏のポートフォリオの変更は、2007年の住宅市場の暴落を予測したという彼の評判を持っているため投資家によって注目されている。バーリー氏がNvidiaや中国の大手企業に対して強くベアリッシュな姿勢を取ったことは、これらの分野での下降の予期を示唆している可能性がある。
さらに、化粧品大手のEstee Lauderに対して独り立ちで上昇トレンドを取ったという事実は、市場の変動が見込まれる中で、バーリー氏が化粧品業界を安全地帯と見なしていることを示している。
この戦略の変化は、他の投資家が自分たちのポートフォリオと市場見通しを見直すきっかけになるかもしれない。
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画像:Shutterstock/Sorbis