グローバルな石炭消費は2024年に過去最大を記録し、再生可能エネルギーの拡大を上回る形で877億トンに上昇した。
地球温暖化への寄与が指摘される一方で、石炭は世界のエネルギーシステムに根付いており、短期的な消費はますます増えると見込まれている。
国際エネルギー機関(IEA)は最新の報告書で、石炭の需要予測を上方修正し、「石炭は過去の燃料と見なされがちだが、過去30年間で世界的な消費量は2倍に増えている」と述べた。
この増加は、インドやインドネシアのような国の需要によって推進されており、これによって米国や欧州連合などの先進国による石炭の使用減少を相殺している。
このトレンドで最も重要な役割を果たしているのが中国で、2024年に同国の石炭消費が4.9兆トンに達し、世界の石炭消費の3分の1以上を占めている。中国の電力の約60%は引き続き、再生可能エネルギーへの大規模な投資にもかかわらず、石炭火力発電所によって発電されている。
2024年の石炭輸入もまた記録を更新し、5427百万トンに達し、前年から14.4%増加した。国際的な石炭価格の低下により、中国は石炭の供給を備蓄し、国内のエネルギー費用を安定させることができた。
LSEGの主席石炭アナリストであるトビー・ハサル氏は、ロイターによると、「中国の2024年の石炭輸入の増加は、石炭価格の海上輸送の減少を支え、中国国内の広範囲の石炭タイプの輸入契約を奨励した」と述べた。
彼は、低調な消費にもかかわらず石炭の消費がセメントや鋼鉄部門で2024年に約1%増加したと推定している。
中国はエネルギー源の多様化において著しい進歩を遂げており、国際エネルギー機関はこの動向が2030年までに設置される世界の再生可能エネルギー容量のほぼ60%を占めると見込んでいる。ただし、これらの取り組みが石炭の消費を大幅に削減するには不十分である。
IEAの分析によれば、中国は少なくとも数年間は石炭の年間使用量の記録を更新し続けるという。
IEAは、2027年までに世界の石炭需要が横ばいになると予測しているが、この安定化は過去最高の水準で発生する。ただし、数年にわたりIEAは石炭のピーク利用に関してゴールポストを移動してきたため、こうした予測には一抹の不安がある。
中国のエネルギー需要の収拾のつかなさと、ドナルド・トランプ元大統領の再選に伴い、この消費が2030年代にも増大することがあっても不思議はない。
Range Global Coal ETF(NYSE:COAL)の株価は、今年になって4.47%下落している。