台湾半導体製造(Taiwan Semiconductor Manufacturing Co、NYSE:TSM)は、高雄の先進的な2ナノメートル製造施設に関する進展を急いでいる。同社は、グローバルな先進半導体チップの需要に対処しようとするその動きを反映して、予定より6カ月早い装置設置式を実施したのだ。
陳其邁市長は、このマイルストーンを市議会の質疑応答セッションで強調し、この施設が地域の人工知能(AI)の活用を促進し、産業の変革を助長する潜在的な力を持つことについて述べたと、Taipei Timesが報告している。
チップメーカーは、現在同施設に3ナノメートルおよび5ナノメートルの設備を保有しており、高雄にさらに4つの製造施設を設立する予定だ。陳市長によると、これらの開発は、グローバルで最も価値のある半導体クラスターのうちの1つを形成することを目指している。数社の素材、装置、部品のサプライヤーもまた、同市で事業を立ち上げており、このことは台湾半導体のエコシステムをさらに強化している。
台湾半導体は、同社の2ナノメートル技術が来年に量産に向けて進行中であり、パフォーマンスと収率がすでに期待値を上回っていると発表を受けた。同社は新竹の施設にも同様の生産ラインを構築している。
台湾半導体のC.C.ウェイ社長兼CEOは、最近株主向けに2ナノメートル技術の需要が期待を上回り、3ナノメートルの生産能力をも上回ったと語った。
これらのチップは、スマートフォンやハイパフォーマンスコンピューティング向けで、同社の供給先には、Apple Inc(NASDAQ:AAPL)や Advanced Micro Devices Inc(NASDAQ:AMD)がそろって採用すると予想されている。
最近の報告によると、AMDは台湾半導体の3ナノメートルプロセスを活用してスマートフォン市場への参入を図り、サムスンのフラッグシップモデルなどの機器で採用されることを狙っている。
台湾半導体は、AIサーバーアプリケーション向けに需要が高まっているA16チップの生産能力も準備中だ。ウェイ氏は同社の2ナノメートル技術およびA16チップの生産をスケールアップし、顧客の要求に応える意向を強調している。
同社は先進半導体製造の需要に対応するため、2025年の資本支出は340億ドルから380億ドルを目指すという。
株価動向:上場時点の株価は、前日比1.06%安の181.89ドルで推移している。
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