今月現在、Tesla(NASDAQ:TSLA)とSpaceXのCEOを務めるイーロン・マスク氏の純資産は約393.2億ドル(フォーブスの調査による)と、引き続き世界一の金持ちです。これは膨大な財産ですが、マスク氏が世界初の兆ドル級の資産家になるとは考えていない専門家もいます。
「世界で初の兆ドル級の資産家は、AIとその派生技術をあらゆる面で使いこなす存在から生まれるでしょう。そして我々が思いもよらないような形で使われることになります」と、マーク・キューバン氏は2017年にSXSWで講演中に述べています。
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AIが生む世界初の兆ドル級資産家
現在に追いついてみると、キューバン氏の予想はこれまでになく的確なものに感じられるかもしれません。AIはもはや未来の話ではなく、日常生活の一部となり、業界の運営方法を変えています。
AI分野は2146億ドルの価値があり、2030年までには35.7%の年率で成長し、13391億ドルにまで急騰するとMarketsAndMarket.comの調査が明らかにしました。 AIを何らかの形で利用している企業がすでに半数(49%)にものぼるが、PWCの最近の調査によると、この数字は今後も増加する一方です。
AIが世界初の兆ドル級資産家を生む可能性がますます明らかになりつつあります。ゴールドマン・サックスはAIが世界経済のGDPを7%、つまり約7兆ドルも増やすと予想しています。この数字を鑑みると、キューバン氏のAI習得が世界初の兆ドル級資産家を生むという主張は非常に納得がいくものです。
一方、AI分野に多大な投資を行っているのはマスク氏も同様です。具体的にはTeslaの「FSD(Full Self-Driving)ソフトウェア」、Neuralink、xAIなどです。ただ、キューバン氏は、マスク氏やアマゾン(NASDAQ:AMZN)のジェフ・ベゾスも世界初の兆ドル級資産家になるとは考えていません。むしろAIに対するアプローチがまったく異なる人物が世界初の兆ドル級資産家になるのではないかと考えているようです。
「人間の性質の複雑な問題を理解し、解決しようとして哲学を学んだ誰かが兆ドル級資産家になるかもしれない」とキューバン氏は提案しています。
マスク氏が兆ドル級資産家になる道は、思っているほどシンプルなものではありません。なぜなら、マスク氏の資産はTeslaの株に密接に結びついており、同社株は大きな変動を見せており、12月のピークから27%も下落しているからです。ブルームバーグによると、この株価の変動はマスク氏のトップの座を確実に維持することが難しいだけでなく、兆ドル級の資産家になることも難しいとされています。
一方、AIは猛スピードで進化を遂げています。2024年には、ベンチャーキャピタリストたちがAIスタートアップに対して500億ドル以上を投資したとCBインサイトは先月発表しています。
AIを先導するグーグル(NASDAQ:GOOGL)、マイクロソフト(NASDAQ:MSFT)やOpenAIなどの業界巨頭は、AIが最も競争力のある急速に動くセクターの一つになるよう尽力しています。マッキンゼーの調査によると、AIによる自動化は2030年までに現在の仕事の機能の30%を置き換えることがあり、これにより業界の運営方法が変わり、まったく新しい市場が生まれる可能性があるとのことです。
キューバン氏のアドバイスは何でしょうか?それは何よりも、AIの進展を追いかけ続けることです。彼は、将来の仕事市場において競争力を維持するためには、AIの最新技術を理解し続けることが最善の手段だと考えているのです。
「AI、深層学習、機械学習、何をやっても理解できないものがあったら、習得するべきです。そうでなければ、3年以内には時代遅れになります」と、彼は2月8日、Upfront Summitで行われたインタビューで述べています。
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