半導体業界にとって重要な発展がありました。アドバンストマイクロデバイス(NASDAQ:AMD)のCEOリサ・スー氏は、米国アリゾナ州のTSM(台湾半導体製造)によってAMD向けに製造されたチップは、台湾で製造されたチップよりも価格が高くなっていると述べました。
スー氏は、水曜日にワシントンで行われたAIに焦点を当てたイベントで、米国製造のチップの原価が5%から20%高いことを指摘しました。米国政府は、台湾の半導体大手が台湾ではなく米国で先進的なチップを製造するよう積極的に後押しをしており、そのための基盤整備を行っています。
トランプ政権とバイデン政権は、国家安全保障と供給チェーンの強靭化を理由に、台湾半導体に対して、米国内での先進的なチップの生産(高密度チップパッケージングも含む)について移行を促しました。
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台湾半導体は、このためにアリゾナ州の工場に650億ドル以上を投資しました。今後4年間でアメリカの半導体製造リーダーシップ支援のため、米国でのチップ製造プロジェクトに最大1000億ドルを検討しているとのことです。
このような多額の投資がかかったにも関わらず、スー氏は米国のチップ生産にかかるこの投資の戦略的価値を強調しました。Bloomberg Televisionのインタビューの中で、「このような投資が同社のチップ供給チェーンを大幅に強化する」と強調しました。AMDは今年の末までに台湾半導体のアリゾナ工場から最初のチップの受領を予定しています。
スー氏は、台湾半導体のアリゾナ州の工場が台湾の工場と同等の利用可能なチップの数を生産していると述べました。
スー氏が話したイベントは、All-In Podcastチーム、テックリーダー、議員らによって企画された「ヒルアンドバレーフォーラム」というタイトルのイベントです。トランプ大統領とその他の政権高官も、そのAIアクションプランを宣伝するために出席しました。
この包括的な計画は、トランプ大統領の指示のもとで水曜日に発表されたもので、米国のイノベーションを促進し、AI基盤を強化し、また人工知能分野でのアメリカのグローバルリーダーシップを固めることを目的としています。スー氏は政府のAIに対する取り組みに強力な支持を表明し、その行動計画の実践的なアプローチを称賛しました。
この他にも半導体市場に関するニュースとして、最近、中国に出荷されたAIアクセラレーターに関する米国の輸出制限が一部緩和されたというニュースもありました。同氏は、米国政府は、中国が半導体にとって重要な市場であることを考慮すると、中国への出荷を許可するためのライセンスの数と、その会社に対して出荷を継続する権利の期間については不確実要素が残されていると述べています。
スー氏は、AIチップに対する強力な需要が継続していることと、OpenAIのサム・オルトマン氏およびxAIのイーロン・マスク氏からの大規模な投資を指摘して、その話をまとめました。
今年になってから、AMD株は31%以上上昇し、TSM株は22%上昇しました。両社に対する予測されるEPSはそれぞれ2.54ドルと1.80ドルで、同順に配当利回りは0.98%と1.31%となっています。P/Eレシオはそれぞれ52.87倍と28.23倍です。
株価アクション:現時点で、AMD株は前場で1.29%高の160.70ドルで取引をしており、TSM株は0.47%上昇しています。
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