2つの中国の人工知能チップスタートアップであるMoore ThreadsとMetaXは、新規株式公開(IPO)を通じて合計120億元(約165億ドル)を調達する計画を立てている。
出来事両社とも、米国の輸出制限によって自社製品への需要が高まるという見通しでいるとロイターが報じた。
北京に拠点を置くMoore Threadsは80億元を調達することを目指しており、一方上海に拠点を置くMetaXは39億元を調達する計画だ。両社とも、上場先は、中国上海証券取引所のテック重視の新興企業向けボードであるSTAR市場を選択した。
これらの資金調達計画は、中国のチップメーカーが北京政府のグラフィックス処理ユニット(GPU)開発に関する国内メーカー主導の動きを活用しようとしていることを強調している。
米国は中国に対する輸出制限を強化しており、最新の規則は4月に実施されたもので、同国への最も人気のあるチップであるNvidia(NASDAQ:NVDA)のH20チップの出荷を禁止している。これらの規制により、北京政府には国内チップ業界のリーダー企業を育成するという緊急感が生まれた。
Moore ThreadsとMetaXの両社とも、米国の制裁が自社の成長にとって大きなリスクであるとしているが、その一方で、これによって市場は大きなチャンスが生まれる可能性があるとも強調している。両社はNvidia製品と競合するGPUを設計し、国内の研究開発費用が大幅な損失を報告しているため、そのほとんどが米国の規制によるものであるとしている。
今回の動きが重要な理由 Moore ThreadsとMetaXの米国の輸出制裁下での上場は、中国企業が外国のチップメーカーに対する依存を減らそうとするという大きな潮流の一環である。そして5月には、Alibaba(NYSE:BABA)、Baidu(NASDAQ:BIDU)、Tencent(OTC:TCEHY)が米国の輸出規制とNvidiaプロセッサの在庫の減少により、米国のチップを手放して、国産チップに移行し始めた。
また、中国の主要自動車メーカーは、2027年までに国産チップの100%供給を目指している。この動きは、中国の産業情報化省によって進められており、国内チップ採用率の自己評価が定期的に求められている。
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