CEOサム・オルトマンのもと、OpenAIがヨニー・アイブのスタートアップ企業ioを65億ドル(約7,073億円)で買収するのを受けて、テック業界において権力のシフトが起こる可能性がある。
Bloombergのマーク・ガーマン氏は、最新の週刊ニュースレターで、Apple(NASDAQ:AAPL)がテック業界の覇権を揺るがされつつあるとの見解を示している。
人工知能の重要な進展を阻止していたテック業界の巨人であるAppleは、上級幹部やエンジニアをはじめとする人材の流出に直面している。これは、GoogleやMicrosoft Corp.(NASDAQ:MSFT)などの競合企業が生成的AI分野で進展を見せている時期にあたる。
ヨニー・アイブは、Appleを去り、新たな競合企業に参加した形だ。アイブCEOのioスタートアップは、OpenAIに驚異的な65億ドルで買収された。アイブはOpenAIのデザイン部門の責任者となり、新しいハードウェアデバイスの開発も含まれる予定だ。
6月9日に開催されるAppleの年次「Worldwide Developers Conference」(WWDC)では、Appleのオペレーティングシステムのリデザイン版が紹介される見通しはあるものの、大きなAI関連の進展は予想されていない。OpenAIのこの取引は、Appleにとっては過去の伝統に縛られたような感じを抱かせるものである。
アイブCEOのioスタートアップがOpenAIに買収されたことで、アップルにとっての大きな転機が訪れた。
Appleは2027年に、iPhoneを折りたたむことが可能な新製品「フォールダブルiPhone」と、AIの革新である「スマートグラス」を発表する見込みだ。
Appleは来年、iPhoneのアドオンとして「スマートグラス」を開発する予定だ。しかし、スマートグラスはiPhoneの代替製品ではなく、追加機能を果たす製品となるだろう。
Appleは次のコンピューティング革命を先導するためのプレッシャーを強く感じている。これには、Apple Intelligenceプラットフォームを活性化し、革新的な新製品ハードウェアを立ち上げ、競合他社より先に次世代のiPhoneを生み出すということが含まれる。
OpenAIによるアイブCEOのスタートアップの買収は、テック業界において大きな転換点を示している。Appleの主要な人材が競合企業に流れる中、AI分野で大きな進展を遂げることが苦手なAppleの支配権が揺らぐこととなった。
テック業界は急速に進化し続けており、適応できない企業は置いていかれる可能性がある。この進展は、AIがテック業界の未来を形作る上でどれほど重要なものであるかを物語っている。
次の記事
Appleの静かなる革命 – AI医師、栄養テクノロジー、そして新しい小売担当者
画像: jamesonwu1972/Shutterstock