仮想通貨トークン「Official Trump」(CRYPTO:TRUMP)の80%がトランプ大統領の関係者手によって管理されているという内容の報告書が、金融調査会社Bernsteinから公表された。
このトークンは、Solana(CRYPTO:SOL)のブロックチェーン上で意外な形で立ち上げられ、約730億ドルの完全流通時時価総額に達した。トークンの取引額はわずか48時間で1日あたり300億ドルを超え、Dogecoin(CRYPTO:DOGE)をも上回り、市場最大のミーム暗号資産の1つとなった。この後、トークンは約50%の下落を経験している。
トークンの立ち上げは、トランプ大統領の選挙キャンペーンと関係のある実体CICデジタルによって可能にされたもので、以前にもブランドのNFT(非代替性トークン)や商品を立ち上げたことがあった。
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業界は、このトークンが「最も力のある政治的存在によって」発行されたことを見て、アメリカは今後よりデジタル資産に対して開かれるようになり、規制リスクが軽減される可能性があると見てきたが、Bernsteinの報告書はトークンの配布構造に焦点を当てている。
報告書によると、トークン供給の80%がCICデジタルに関連するウォレットで保有されており、このことを受けて、関係者がこの大量のトークンを配布するのではないか、その結果他の投資家が損失を被ることになる可能性が懸念されているという。
「トランプチームは、TRUMPコインを担保として、暗号資産の銀行業務や金融業務に有用な何かを作るか、支持者や保有者に報酬を与えるエンゲージメントモデルを構築するか、もしくはそれを使ってトランプ大統領に関連する政治的な新しいイニシアチブに資金を提供するための資産として使うかもしれない」と報告書には記載されている。
ブロックチェーンベースの市場メイキングがどのように機能するかを考えると、チームはすでに取引プールに流動性を提供することで強力な収益を上げている。トークンがどれだけ速く成長し、市場価値が急上昇したかを考えると、関係者が保有する80%の供給は、その市場価値に一定の圧力をかけているというのだ。
報告書は、規制環境についても触れている。同報告書では、主要政治家によるトークン発行の開始は、今後、政府が暗号資産を大衆にアプローチするための手段と見なす可能性がある新たな時代の始まりを示すものだと示唆している。
一方で、報告書はアメリカの現行規制体制が、暗号資産のビルダーに対して厳しい姿勢を保ち続け、トークンに関連する活動に対しても強力な執行を行ってきたことを踏まえ、このような規制緩和の可能性については慎重であるとも懸念を示している。
トランプ大統領のトークン発行は、新しい時代の到来を示唆し、新たな規制の導入につながる可能性もある。
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