国内で業績が鈍化しつつ、中国生まれの電気自動車メーカーが海外で波乱を巻き起こしている。
出来事: 2024年第1四半期、中国の自動車ブランドは海外で前年度同期比40%の売り上げが伸び、輸出総数が47万台に達した。中国自動車乗用車協会(CPCA)のデータを引用したCnEVPostより確認できる。
リードするのは中国の自動車メーカーのトップは、SAIC, Chery, グレートウォールモーター, ビュイック(OTC:BYDDY)(OTC:BYDDF)などがいる。
彼らのうち最も多くを輸出しているのは中の中で最大手のSAICで、12万6000台以上の車両を海外に輸出している。続くChery、Great Wall Motor、BYDはそれに続いており、合計すると中国ブランドの総輸出の半分を超えるものとなっている。
欧州とアジアが注目 この成功物語は電気自動車(NEV)市場にも広がっている。欧州とアジアでの中国のNEVの需要は依然として過去最高を記録し、それを証明するのが2024年第1四半期に輸出された111億ドル相当のNEVが挙げられる。欧州とアジアが主要な目的地となっており、中国製の車両はこれらの地域で新たな市場を見いだしている。
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海外でのNEV販売では、BYD、SAIC、Geely、Great Wall Motorがリードしており、Xpeng(NYSE:XPEV)とNio(NYSE:NIO)がそれに続いている。
EVメーカー | 2024年第1四半期のNEV海外販売 |
BYD | 47,238 |
SAIC | 31,018 |
Geely | 13,384 |
Xpeng | 1,432 |
Nio | 388 |
イノベーションが販売を駆動? 中国の一部の電気自動車メーカーは、国内市場での業績の鈍化に直面しているが、車内ベッドやキッチンなど独創的な機能を導入するという新しい手法を考え始めている。
BYDのプレミアム戦略 中国トップの電気自動車メーカーであるBYDは欧州で異なるアプローチをとっている。安い車両を大量に供給するのではなく、BYDはプレミアム価格で非常に高い値段を付け、利益を上げつづけている。
中国の電気自動車メーカーは、アメリカなどの主要市場での貿易障壁に対応するため、この他にも独自の方法を使っているとも言われている。 これは中国の中古車の輸出について、メーカーの認可なしに輸出することができる政策を利用しているものだ。このループホールによって、事実上「中古車」となるよう、新車の登録を中国で行い、その後すぐに海外に輸出することが可能となり、輸出制限を回避することに成功している。
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