ゴールドが3300ドル台を抜け、1オンスあたり3133ドルの新記録を 記録したのは、これまでで最も輝かしい瞬間だ。
置いてけぼりにされたくないと思った銀も、70セントの急騰で33ドルを回復した。
Peter Schiff氏は「今年最大の金融ニュース」と宣言せざるを得なかったが、正直なところ異論はない。米中間の半導体に関する新たな緊張と、鉱物の輸出のエスカレートへの懸念が高まる中、ゴールドの光り輝くような急騰が続いているのだから。
金の上昇:地政学的リスクがゴールド駆動
Saxo Bankのオーレ・ハンセン氏によると、この暴騰は地政学的な要因によるものだという。ガーディアンが報告しているところによると、「トランプ大統領による米中貿易戦争の激化の兆候は全く見られない。」となっており、とりわけ半導体や重要な鉱物に対する新たな調査が行われていることが分かっている。この情勢のため、投資家は高リスクを取りやめ、ゴールドという堅牢な避難所へと真っ直ぐに逃げ込んでいる。安全地帯? もっとも、金の要塞に近い。
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Barrick GOLDが「ゴールデンクロス」を記録
一方で、高騰する貴金属に引き続き、Barrick Gold Corp(NYSE:GOLD)がチャートの上で見事な存在感を見せている。

この銘柄が牽引したのが、ゴールデンクロス。これは50日移動平均線が200日移動平均線を上回る場合に用いるトレーダー用語で、これはいわゆるボリュームの上昇を示す古典的なサインだ。つまりこの銘柄の価格は急上昇中というわけだ。
Barrick GOLDは、現在1株20.98ドルで取引されており、5、20、50、200日移動平均線を全て上回っている。このため、この銘柄は勢いのある急騰を示しており、まるでラスベガスのネオンサインよりも活気に溢れている。そして、今年に入ってから見ると、この銘柄の株価は27%以上上昇しており、過去5日間だけで11.7%上昇している。これは短期的な上昇だけでなく、長期的な上昇が見込まれるということだ。
しかし、銘柄の株価がもたらす好材料だけでなく、今後は悪材料の出現も予想される。買い手の勢いが強まっている中、売り手の勢いが強まれば、賑やかなパーティーは一瞬で台無しになることだろう。とはいえ、オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)が年末までにゴールドの価格予想を3600ドルに引き上げたことを考えると、売り手の攻勢も無視できない。
結論としては、半導体がアウトで、ゴールドがインという世界において、バリックゴールドはその勢いを見せ付けたと言えるだろう。
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