ウォーレン上院議員(民主党マサチューセッツ州選出)は、ドナルド・トランプ大統領が連邦準備制度(FRB)のジェローム・パウエル議長を解任するとの可能性について、これが株式市場の暴落につながる可能性があると警告しました。
出来事:ウォーレン上院議員のこの発言は、トランプ大統領のこれまでのソーシャルメディア投稿に対するコメントでした。トランプ大統領は、この投稿でパウエル議長の「解任」に対する不満を表明しています。
「早すぎる。ECBのように、とっくの昔に利上げすべきだった。しかし、彼は今すぐにでも利上げすべきだ。パウエル議長の解任が早くても遅くてもいいんだ!(訳注:ECB=欧州中央銀行)」トランプ大統領は投稿の中でそう記しています。
ウォーレン上院議員は、ニューヨーク証券取引所でのスピーチで、パウエル議長が解任された場合の米国市場への潜在的な影響について述べています。
「私は規制と金利の両面でパウエル議長と何度も対立してきました。しかし、理解してほしいのは、もし合衆国の大統領がFRB議長を解任したら、それは米国市場にとってパニックが起きるということです」と、ウォーレン上院議員はニューヨーク証券取引所でパウエル議長について述べました。
またの読み物
ウォーレン上院議員は、米国と世界経済の安定にとって連邦準備制度の独立性の重要性も強調しています。ウォーレン上院議員は、トランプ大統領がパウエル議長を解任する可能性の合法性について疑念を表明しました。
「もし米国の金利が、魔法の杖を振り回したいだけの大統領に服従するものであるならば、それは世界中のどの二流の独裁国とも区別がつかなくなってしまう」と、ウォーレン上院議員はInsiderの記事でこう述べています。
トランプ大統領の特に利上げカットに関するパウエル議長に対する不満は、これまで一貫して続いてきた問題です。しかし、パウエル議長は自分は合衆国大統領によって法的に解任されることはないと断言してきました。
米最高裁は、独立機関の理事を最近解任したトランプ大統領の行為の合法性について、今後の判決を下す予定です。
出来事の背景:トランプ大統領によるパウエル議長の潜在的な解任は、米国および世界の金融市場においてかなりの不安定さを生む可能性があります。連邦準備制度の独立性は経済安定を維持するための重要な要素であり、この独立性に対するどんな脅威も、遠くに及ぶ影響をもたらす可能性があります。
独立機関の理事を最近解任したトランプ大統領に対する米最高裁の今後の判決は、連邦準備制度の将来およびその指導に対する先例を生むことになります。
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FRB議長パウエルの発信が世界の金利カットを促す、中央銀行の利上げカットの動きとは
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