ムーディーズ・アナリティクスのチーフエコノミストであるマーク・ザンディによると、トランプ大統領の50年ローンの導入の提案は、住宅所有者と貸し手の双方にとって重大な財政的リスクをもたらす可能性がある。
借入期間が長くなるほど、財政的リスクも高まる
Newsweekとのインタビューの中で、ザンディは50年のローンを選択した借り手は資本を蓄積するのに苦労するだろうと指摘した。ローンの支払いのほとんどは最初の10年で元本よりも利息の方に支払う事になるからである。
ザンディは、このことは住宅価格の下落や予期せぬ支出があった場合に、住宅所有者の財政的なクッションを最小限に留めてしまう可能性があると述べた。これにより、ローンのデフォルト（債務不履行）のリスクが高まる。
ザンディは、こうしたリスクの高まりを踏まえ、50年ローンの金利は標準的な30年ローンの金利よりも「著しく高くなる」と述べた。これにより、返済期間が延長されることによる潜在的なコスト削減は相殺される。
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トランプの提案に反発の声
レッドフィンによると、一般的な住宅購入者は現在、月収の約38%を住宅ローンの支払いに充てている。若年層の住宅購入のしやすさを改善することを軸に住宅政策を組み立ててきたトランプ大統領は、ファニーメイ（OTC：FNMA）とフレディマック（OTC：FMCC）を民間企業に戻すことを望んでいることも示した。
しかし、この提案には様々な反応があった。元オバマ政権の経済顧問ベッツィー・スティーブンソンは、こうしたローンは一部の購入者には利益をもたらすかもしれないが、借入コストが高くなり、資本の増加は遅くなるだろうと警告した。
マージョリー・テイラー・グリーン（共和党・ジョージア州選出）下院議員と投資家のケビン・オリアリーもこの計画を批判した。彼らは、この計画は住宅の価格の手ごろさに関する問題を悪化させるだろうと主張した。
ミレニアル世代とZ世代は関心を示す
しかし、最近のウェブサイトBadCredit.orgの調査によると、トランプの50年ローンはミレニアル世代に利益をもたらす可能性があり、この世代の人々の住宅所有への道を潜在的に容易にする可能性がある。
1000人の回答者を対象とした調査によると、45%のアメリカ人が50年ローンを検討すると回答した。支持率が最も高かったのはミレニアル世代（54%）とZ世代（46%）で、興味を示す割合はX世代（37%）とベビーブーマー世代（29%）で低下した。
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