ボツワナは、大手ダイヤモンド生産者デビアスの支配株を取得しようとしていると報じられており、これがアングロ・アメリカン(OTCQX:AAUKF)の売却計画を複雑にするかもしれない。
グローバルダイヤモンド産業の急激な低迷は、世界生産の4分の1以上を占めるこの南アフリカの経済を不安定にし、激震を与えた。
ボツワナの鉱物・エネルギー相であるボゴロ・ケネウェンド氏は、政府がデビアス株のより多くの所有権を獲得することに専念していると語った。ケネウェンド氏は、「ボツワナ政府の戦略的国有資産であるデビアス株およびマーケティングを含むこの価値のある資産に対するボツワナの全権的な支配を確保するため、我々大統領デュマ・ボコも引き続きデビアス株の増資を固く決意している」とケネウェンド氏は金融タイムズに語った。
ボツワナ政府は既にデビアス株15%を保有しており、またデビアスの生産の基盤を形成している合弁企業デブスワナも共同で所有している。
しかし、ガボローネではアングロの売却プロセスに対する不満が高まっている。ケネウェンド氏は「私たちのパートナーであるアングロ・アメリカンが透明性を欠き、政府や私たちの支援との調整を図らなかったことは遺憾でならない」と付け加えた。
アングロは、年末までにデビアス株を売却するよう求める圧力を受けている。早くても8月上旬までに入札を募り、バイヤーが現れない場合には公開上場も検討されるという二つのトラックの戦略が進行中だ。
それでも、状況は不利である。ダイヤモンド部門は長期間にわたる低迷期にあるうえ、合成ダイヤの急速な台頭がその状況を悪化させている。合成宝石は現在、アメリカでの約50%以上のエンゲージメントリングのシェアを占めており、その価格と同じ物理特性が自然石の需要を侵食している。
アングロは本日公表した四半期決算において、その低迷が明らかになっている。デビアスのラフダイヤ生産は、昨年同期比36%減の410万カラットで、10年以上ぶりの最低四半期生産となった。(プレスリリース)会社は「低需要の長期間に対する継続的な生産対応が理由である」と説明している。
一方、ボツワナはダイヤモンド輸出への大きな依存度の代償を支払っている。この国は最近、GDPの7.5%を超える財政赤字に対処するために金融ギャップを埋めるために3億ドルの融資を確保した。
現在までにボツワナは投資適格格付けを維持しているが(アフリカでは希少なケース)、ムーディーズはダイヤモンド部門への依存を理由に、長期的な見通しをネガティブに引き下げた。
それでも、関係者はデビアス株の入札に資金が不足しているとは考えていない。「金額に関して問題はない」とケネウェンド氏は述べたが、具体的な説明はなかった。
アングロからは注意深く言葉を選んだ声明が返ってきた。「アングロ・アメリカンの長年のパートナーとして、私たちはもちろんボツワナ共和国政府との間で、私たちのプロセスのすべての適切な段階で定期的に交渉している」というものだ。
この売却プロセスは、アングロがわずか数週間前にプラチナユニットを独立した会社Valterra Platinum(OTCPK:AGPPF)として分離することに成功した後に起こった出来事である。
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