米中貿易摩擦が激化する中、中国の製油会社は米国産原油の輸入を大幅に削減し、一方でカナダ産原油の輸入は過去最高値に達している。
出来事中国による米国産原油の輸入は2023年以来約90%減少し、月間のピークである2900万バレルからわずか300万バレルに落ち込んだとVortexa Ltd.のデータによりBloombergが報告している。3月には中国はカナダのバンクーバー港から730万バレルの原油を輸入した。
この数字は今月もっと上がると予想されている。この動きは2023年末に完成したトランスマウンテンパイプライン拡張(TMX)に続いており、このプロジェクトにより日本の原油の輸出能力が1日59万バレル増加し、アジア市場への直接アクセスが可能になった。
なぜ重要か中国のカナダ原油へのシフトは、ドナルド・トランプ政権と習近平チームの間での現在の貿易紛争の大きな影響を浮き彫りにしている。投資家にとっては、カナダが中国の主要供給国となることが北米の石油基盤において構造的な変化をもたらし、その結果Canadian Natural Resources Ltd 、Cenovus Energy Inc. 、および米国の大手企業である Exxon Mobil Corp.(NYSE:XOM)およびChevron Corp。(NYSE:CVX)などの企業に重大な影響を与えるだろう。
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この動きは中国の製油会社にとっても戦略的に重要であり、カナダオイルサンドから利用可能な比較的安い原油の密度の高さが理由だ。カナダ中華エネルギーフォーラムの会長である Wenran Jiangは「貿易戦争という状況を鑑みると、中国が米国から原油をもっと輸入することは考えにくい」と述べた。
油価は木曜日初めに急騰し、Brent原油は1バレルあたり66.42ドルで0.85%上昇し、WTI先物も1.06%上昇している。
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