経済学者Mohamed El‑Erian氏が警告しているように、トランプ大統領の貿易・関税体制は米国を以下の2つの極端な状況に追い込んでいる:「サッチャー・レーガン時代のステロイド」もしくは「もう一度ジミー・カーターのスタグフレーション時代」となる可能性が50-50であるとされている。
出来事元債券大手PIMCOのCEOであるEl-Erian氏によれば、トランプ政権内外の全ての関係者が、経済は「多少の揺れ」がありそうだという点で大筋一致しているという。彼によれば、異なるのは「目指す先」であり、先週日曜日のMSNBCのVelshiでの発言の際にそのように語っている。
El-Erian氏は、このような問題には2つの視点があり、1つ目は、トランプ政権の見解であり、これによれば、我々はより公平な貿易体制でこの問題を乗り越えるだろう、残りの世界も我々と同様に関税と非関税障壁を下げ、同時に自国の防衛に責任を持つとのこと。
El-Erian氏はさらに、我々は「革新を活かした民間セクター」と、赤字を減らす「締まった政府」で問題に取り組むことになるとも付け加えている。El-Erian氏はこの楽観的な見方を「サッチャー・レーガン時代のステロイド」と表現している。
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彼が語る2つ目の見方は、スタグフレーションに閉じ込められることであり、これによれば、1970年代に米国経済が直面した、ジミー・カーター大統領の任期中の高インフレと低成長を再び経験することになるだろう。
El-Erian氏のこの見解は、1970年代に米国経済が直面した、ジミー・カーター大統領の任期中の高インフレと低成長を再び経験することになるだろうという見方である。
「我々は高失業率と高インフレ率、そして国際システムの破綻を目の当たりにするだろう」と彼は述べており、この後「確率は50-50」と語っている。
それが重要な理由El-Erian氏は、関税の上昇から米国経済に対するスタグフレーションリスクを繰り返し警告してきたが、これは「解放記念日」に対して再度関税措置が講じられる前のことである。
最近数週間で、関税に対する様々な見解が提出されており、特にArk InvestのCathie Woodは「それは必要だったかもしれない」と述べている。
これに続いて、名高いサプライサイド経済学者であるアーサー・ラッファーは、 関税措置を批判 したが、これがもたらす世界貿易の良い面にも注目し、トランプ大統領の交渉スタイルを賞賛し、大統領がこの問題について正しい判断を下すことを信じていると語っている。
米国JPモルガン・チェース社(NYSE:JPM)のCEOであるジェイミー・ダイモン氏など、他の関税に対する見解もある。ダイモン氏は、関税に関連する不確実性のために「最も可能性の高い結果」として景気後退を予測している。
先週、Blackstone Inc.(NYSE:BX)の社長であるジョナサン・グレイ氏も同様の警告を繰り返し、「この不確実性の長さ」と述べ、 「景気後退リスクは直接、この不確実性の長さとリンクしている」とも付け加えている。
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