台湾の賴清徳総統は、半導体産業に対するトランプ大統領の懸念を鎮めるため、防衛支出を強化しながら、米国へのさらなる投資を計画している。
台湾は、世界有数の半導体製造受託会社であり、台湾半導体製造(Taiwan Semiconductor Manufacturing Co)(NYSE:TSM)の本拠地でもある。同社は、Apple(NASDAQ:AAPL)やNvidia(NASDAQ:NVDA)などの多くの企業に半導体を供給しており、またAI産業の発展に欠かせないパートナーとしても重要な役割を担っている。
台湾半導体は、米アリゾナ州において、新たな工場への650億ドル(約7兆円)の投資を行っている。
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台湾半導体の米国での事業において、Appleは引き続き同社の最大の顧客である。
トランプ大統領は、台湾が中国の主張する台湾にとって最も重要な国際的な支持者であり武器供与国である点から、台湾を、半導体チップの米国での製造を阻害しているとして批判していた。
台湾は米国との貿易収支も大きく、昨年は前年比83%増の結果となった。台湾の輸出額は、半導体などのハイテク製品への需要の増加を受け、過去最高の1140億ドルに達した。
トランプ大統領は台湾製の半導体チップに100%の関税を課すことを脅迫していたが、このことから台湾半導体は、米国において自社の半導体製造能力を増強するか、アリゾナ州の工場での先進チップの生産を増やすか、米国での自社の先進パッケージング能力を開発する可能性について市場予想が出ている。
報告によれば、トランプ大統領は、台湾半導体が主要な受益者である「米国半導体製造業の振興と科学法」を廃止する計画を立てているとのこと。
米国国家安全保障会議の会議で、ロイ氏は、世界的な半導体の供給に関する重要性を強調し、「生態系」としての半導体の供給について語ったとロイターが引用している。
彼は、米国を含む民主主義国家に対し、AIチップの国際連合と、先進チップのための「民主主義的な供給チェーン」を構築するよう呼びかけた。その後、台湾は米国との協議を強化し、良い提案を提示することを提案した。
水曜日、台湾半導体は米国で初の取締役会を開催した。同社の取締役会は、1株当たり4.5台湾ドル(約17.8円)で現金配当を行うことを承認し、1株あたり14.45台湾ドル(約56.7円)の純利益を示し、これにより配当率は31.1%となる。
台湾半導体は、長期的な生産能力計画に対応するため、171.4億ドル(約19兆4000億円)の資本支出を承認した。
同社は、資本支出を、先進技術プロセス能力、先進パッケージング、ファブ工場の建設、およびファブ設備システムの設置・アップグレードに使用する予定だ。
台湾半導体の株価は、過去12カ月で56%以上上昇している。投資家は、VanEck Semiconductor ETF(NASDAQ:SMH)やiShares Semiconductor ETF(NASDAQ:SOXX)を通じて同社の株式に投資できる。
株価騰落動向:株式の最終確認時点で、TSMは前場取引で1.69%安の198.40ドルで取引を終えている。
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