AIサーバーの大手メーカーであるスーパーマイクロコンピューター社(NASDAQ:SMCI)は、ヨーロッパにおけるAIインフラ需要の急増に対処すべく、投資を増額する計画を立てている。
急増するAIの需要により、ヨーロッパでの拡大が加速
既にオランダで製造施設を運営している同社は、水曜日にCNBCが報じたところによると、拡大のための追加のヨーロッパの拠点を検討しており、この点は同社のCEOであるチャールズ・リアン氏が話している。
リアン氏は、この投資の加速について、欧州でのAIソリューションに対する需要の急激な成長が背景にあり、同氏はこの傾向が今後も長年にわたって続くと予想していると述べた。
同社は6月11日、Nvidia Corp.(NASDAQ:NVDA)のBlackwell AIサーバーソリューションをヨーロッパ市場に提供し、迅速な企業展開のための30スタックオプション以上を提供している。この動きは、このニュースを受けて行ったものだ。
国内生産も大規模化
スーパーマイクロはヨーロッパに焦点を当てながらも、ミシシッピ州やテキサス州などの米国内の州でのサーバー生産能力を拡張している。この国内拡大の背後には、マイクロソフト(NASDAQ:MSFT)やAmazon.com(NASDAQ:AMZN)などのテック大手企業からの大規模な投資がある。これはAIモデルの展開とトレーニングのためのデータセンターの建設を目的としたものだ。
同社はまた、リアン氏が米国の生産難についても言及しており、過去30年間、高額な費用と、製造業の仕事に関するアメリカのインフラとその労働力の課題が解決されていないことを明らかにした。このため、米国での生産には困難が伴っていると同氏は述べている。
株価の動きと財務上の不利な要因
AIブームの最中に、株価が61%以上上昇し、S&P500の6%の利益を大幅に上回るなど、今年の業績は強調されているものの、スーパーマイクロは最近、不利な状況に直面している。ここ12か月で同社の株価は45%以上下落し、S&P500の11%の利益を下回っている。この株価の低下には、昨年10月に独立監査役が辞任したことに伴う同社の内部金融コントロールが強く問われたことが大きな要因となっている。
また、継続中の米中の関税不透明さも同社に影響を与えており、その結果、発注が遅れ、決算予想が下方修正された。スーパーマイクロは現在、決算年度の売上高予想を218億ドルから226億ドルの間と予測しており、これは以前の235億ドルから250億ドルの予想からの引き下げとなる。
成長軌道は維持される見込み
それにもかかわらず、リアン氏は水曜日にCNBCに対して、スーパーマイクロは基幹技術を進化させ、事業領域を拡大することで引き続き強い成長軌道を維持していると強調した。
アナリストの見立て
21の金融機関が発表したレーティングをもとに、スーパーマイクロの株に対する合意の株価予想は276.50ドルとなっている。2024年8月7日に、Rosenblattは最高の予想を1300ドルに設定し、一方で2025年5月7日にWedbushは最低の予想を30ドルに設定した。これらの予想に基づくと、最新のレーティングの平均は42.67ドルの株価予想になり、これにより、スーパーマイクロの現在の株価から見て、潜在的なマイナス要因は13.56%であると予想されている。
今月、レーモンド・ジェームズは、スーパーマイクロの株に対して一段と強気なレーティングを、AI最適化型インフラの急速な売上成長とリーダーシップを強調し、発表した。同社は、AIプラットフォームがスーパーマイクロの売上の約70%を占めており、これにより、この企業がブランド付きサーバーの中でトッププレーヤーとなっているとのこと。
レーモンドジェームズは、2026会計年度の売上高を298億ドル、1株当たり利益(EPS)を3.03ドルと予測し、スーパーマイクロがDell Technologies(NYSE:DELL)やヒューレット・パッカード(NYSE:HPE)のような従来のIT大手企業と、同様にクアンタのような請負製造業者との間にある戦略的立ち位置を強調している。
株価の推移 水曜日の最終確認時点で、SMCIの株は前場取引で49.37ドル、前日比0.53%上昇している。
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