2008年の金融危機を予測したことで知られる「ビッグ・ショート」の投資家マイケル・バリーは最近、ヘッジファンド「サイオン・アセット・マネジメント」の登録抹消をした。バリーは今も市場で活動していることを明らかにしている。
サイオンは他の投資を行うための手段であり続けている
ブルームバーグの報道によると、バリーはサイオンを完全に「閉鎖」するのではなく、まだ市場で「活動」していると述べた。バリーは、サイオンを使って他の投資事業を行うと述べている。
しかし、サイオンはRIA(登録投資顧問)ではなくなり、登録顧問が満たさなければならない「コンプライアンス上の負担」から解放されて「うれしい」と述べた。
またバリーは、サイオンを宣伝したり、より多くの投資家を迎え入れて資産を拡大しようとしたりはぜんぜんなく、「基本的に友人や家族のためのファンド」と説明している。
サイオン・アセット・マネジメントは2013年に設立された。バリーは2008年にサイオン・キャピタルを閉鎖したが、世界金融危機の際にはリスクの高い住宅ローンに裏付けられた債券に対して成功裏に賭けをしていた。
バリーはMOHとPLTRの投資論を「ピーナッツバターとバナナ」に例える
サイオンの最新の13F文書では強烈な弱気ポジションが パランティア・テクノロジーズ(NASDAQ:PLTR) と エヌビディア(NASDAQ:NVDA) に対して取られていることが明らかになったが、バリーは火曜日にXで投稿し、これを再確認した。
バリーは特徴的な暗号めいたメッセージで自身の戦略を要約した。「MOHの株を買い、PLTRのプットを買う、ピーナッツバターとバナナのように」
こちらも参照:マイケル・バリー、PLTRとNVDAへの10億ドルの弱気ポジションを明かした後、人工知能ブームは2000年代のドットコムバブル崩壊の再来であると警告
人工知能への投資ブームはドットコムバブルと競合
同様にバリーは月曜日にXで、「(S&P500の総資本支出から減価償却を引いたもの)÷名目アメリカGDP」という図を共有した。
この比率はネット資本支出を名目アメリカGDPの割合として計算したもので、バブル時に最も高くなっているようだ。
この図からは、人工知能が牽引する現在の投資の急増が2000年のドットコム&TMTブームや2007年の住宅バブルの水準を超えていることが読み取れる

結局、月曜日と火曜日の投稿の両方からは、バリーが公式に自身のポートフォリオを義務的な公的精査から遮断した一方で、投資論の共有をやめてはいないことを示している。
水曜日の午前11時33分(米国東部時間)現在、S&P500、ナスダック100、ダウジョーンズの先物は、前日比でいずれも低下している。
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