マレーシアとシンガポールでのオンライン詐欺(フィッシング詐欺)の被害が絶えない。被害の対象となっている未成年者保護のため、ソーシャルメディアとマーケットプレイスの規制強化に乗り出している。
マレーシアは米IT大手のメタが提供するFaceBook、イーロン・マスク氏が所有するX社、ByteDance参加のTikTokが年末までにライセンスを取得するように指導している。プラットフォーム運営各社はマレーシア通信多文化員会(MCMC)によって毎年営業許可を登録する義務を負っている。この規定を遵守せずにマレーシア国内で運営を続けた場合、最大で50万リンギットの罰金を課される。この件は今週火曜日に日本経済新聞も報道している。
隣国のシンガポールでも同様の措置をIT大手に課している。ソーシャルメディアとオンラインマーケットプレイスに対して、オンライン詐欺への対策を講じるよう指導を強化している。先日、内務省はマーク・ザッカーバーグ氏が所有するFaceBookやCarousellなどのプラットフォームに対して、出品者の身元確認を義務付けるように通知した。
オンラインにて行われる詐欺に対して身元確認を義務付ける指導が効果的であることは、Kasperskyのアドリアン氏を含む専門家が証言している。「匿名性を保持するオンラインでは、犯罪者が身元を隠した状態で違法行為を行うことが可能だ」。匿名性の維持を理由に犯罪を繰り返すユーザーも存在している。2022年のマレーシアの警察はオンライン詐欺にて2500億リンギットの経済損失を招いたことを発表している。
隣国のシンガポールも、ソーシャルメディアとオンラインマーケットプレイスに対して、オンライン詐欺を検出し対策を講じることを義務づけている。先月、内務省は、マーク・ザッカーバーグ氏が所有するFacebookやCarousellなどのプラットフォームに対し、出品者の身元確認を義務付ける新しい実用規範を発表した。
このような措置が求められる理由について、KasperskyのAdrian Hia氏を含む複数の専門家は、犯罪者が悪用することができるオンラインプラットフォームの匿名性を挙げている。Hia氏は、「フィッシング、ランサムウェア、詐欺は、東南アジアで最も差し迫った問題のままである」と述べた。2022年、マレーシアの警察はオンライン詐欺に2,500億リンギットの損失を出したと報告している。
シンガポールでも多額の経済被害が発生しており、政府をはじめとして、IT大手にプラットフォーム上での締め付けを強化するように指導にあたっている。フィッシング詐欺は現時点でも犯罪におけるトレンドとなっており、被害に遭う人が後を経たない。