オランダで最も価値のある現代美術作品の一つであるロスコの作品が、ロッテルダムのデポ・ボイマンス・ファン・ベウニンゲンにて子供によるたまたまの傷により修復されることになった。その価値は5,000万ドルから6,000万ドルと見積もられている。このことにより、開放型の展示スペースにおける高価な美術品を展示するリスクに関して新たな議論が巻き起こることになるだろう。
出来事:その子供が、ロスコの「Grey, Orange on Maroon, No. 8」という絵に手を触れたところ、その下部のノンニス仕上げのペイントの層に目に見えるほどの傷がついてしまったと、The Independentが報じたところによると、絵画の収集家による損傷であるという。美術館はこれを「警戒されていない瞬間」と呼び、この美術作品は今後一般公開から外され、修復のための研究所に送られることになる。
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なぜ重要なのか:ロスコの作品はその作品が頻繁に数百万ドル単位の金額でオークションに出品されている。2012年には「Orange, Red, Yellow (1961)」がニューヨークのクリスティーズで8690万ドルに、数か月後には別の作品が7510万ドルで売却された。
最近の事件は故意の破壊によるものではないが、その金融的影響はかなり大きい。美術犯罪の専門家であるアーサー・ブランド氏によるとABCニュースによれば、過去の事例に基づいてその作品を修復する見積もりは5万ドルから15万ドルであるという。
2012年には、別のロスコの作品がロンドンのテート・モダンで損傷を負い、その修復には18ヶ月と25万ドルが必要だった。ロスコのような名画におけるわずかな表面損傷でも、市場価値が下がる可能性がある。
事故にもかかわらず、オランダの美術館は引き続きその開放的なアクセスに関する原則を堅持し、そのような空間では公共と芸術の間の交流が生まれるとしている。
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