親ロシアのプロパガンダ集団Storm-1679は、注目度の高いニュースイベントを利用して偽情報を拡散している。
事実:報告によると、Storm-1679は2022年からMicrosoftの脅威分析センターの監視下に置かれている。同グループは、ニュース媒体、非営利団体、政府機関などの有名組織を装ってプロパガンダを広めていることが判明している。
Storm-1679は今年特に活発で、ドイツのスナップ選挙やモルドバの今後の議会選挙に関連した偽のコンテンツを作成しているとPoliticoは報告している。
また、ドナルド・トランプ大統領とロシアのプーチン大統領の会談に合わせて、ウクライナ戦争についての虚偽の話を広めようともしている。
NewsGuardのAIおよび外国の影響エディターであるマッケンジー・サデギーは、Storm-1679が2024年初めから親クレムリンのビデオを公開していることを明らかにした。
「彼らの偽のビデオのうちのたった1つか2つが毎年バイラルになっただけで、他のすべてのビデオは価値があるということになる」とSadeghiは語った。
Storm-1679は、ビデオと人工知能(AI)生成の音声を組み合わせて有名人や専門家の声を真似るという独自の手法を開発した。
この戦術は特に、Netflixのロゴとトム・クルーズのAI生成音声が登場する偽のドキュメンタリーシリーズで使用されたが、これは2024年のパリオリンピックに先立つものだった。
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これらのビデオのほとんどはすぐに反証されているが、中には大きな注目を集めるものもある。
その例の1つが、ロシアが2022年にウクライナに対して全面的な侵攻を行った後、アメリカ国際開発庁が有名人に支払ってウクライナを訪問させたと誤って主張した捏造されたE! ニュースのビデオである。
ドナルド・トランプJrとイーロン・マスクが、このビデオが偽であることが判明する前に、それぞれ何百万ものフォロワーと共有した。
重要な理由:Storm-1679の活動は、特に国家が支援する偽情報キャンペーンの脅威が高まっていることを浮き彫りにしている。有名な情報源や個人を装うためにAI生成コンテンツを利用するのは懸念すべき傾向だ。
これは、本物のニュースソースの信頼性を損なうだけでなく、世論や政治イベントに影響を与える可能性もある。
これらの偽のビデオの中には幅広く拡散されたものもあり、綿密なファクトチェックやメディアリテラシーの重要性が強調されている。
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画像:Shutterstock/Anton Watman