ウォーレン・バフェットは95歳の誕生日を迎えた最近、バークシャー・ハサウェイ(NYSE:BRK)のCEO職からの引退を表明した。
バフェットの引退決定は、引退年齢を超えて働き続けてきた理由と、現在の引退選択の是非について議論を呼んだ。
業界の観察者は、バフェットの仕事は本質的に彼の個人的アイデンティティと密接に結びついており、彼に目的意識を与えたと考えている。
「Retirement Bites: A Gen X Guide to Securing Your Financial Future(引退の一口:ジェネレーションXのための経済的未来の保証ガイド)」の著者ケリー・ハノンは、インサイダー紙のインタビューでバフェットは「仕事の可能性から活力を得て、力を与えられた」と語っている。
バフェットのCEO在任中、同社は苦境に立たされた繊維工場から1兆ドルの時価総額、3,000億ドルの株式ポートフォリオ、約40万人の従業員を擁する世界的企業へと変貌を遂げた。
著者のジェリ・セドラーとリック・マイナーズは、学者のローレンス・カニンガムとスティーブ・ハンケとともに、バフェットの会社と仕事に対する情熱が、90代半ばまで働くという彼の決断を下す上で重要な決定要因だったことに同意した。
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莫大な資産を持つにもかかわらず、バフェットは慈善活動で知られており、慈善団体に600億ドル以上を寄付した。2010年にはギビング・プレッジ(Giving Pledge)を共同発起し、超富裕層に慈善団体へ資産の一部を寄付するよう呼びかけている。
しかしながら、バフェットの長年のパートナーであるチャーリー・マンガーが2023年に亡くなったことが、彼の引退決定に影響を与えた可能性も指摘されている。 “直感的に、引退する時だと分かったんだろう”とセドラーとマイナーズはコメントしている。
バフェットの引退は、かつてないほどの高みに導いた同社にとって1つの時代の終わりを意味している。彼の退任は同社の将来的な方向性とリーダーシップについての疑問を投げかけている。
バフェットの勤労倫理と慈善活動は、後任者にとって高い基準を設定している。
またバフェットの引退は、CEOのワークライフバランスの優先度が高まっており、より若い年齢での引退を検討するなど、企業の世界におけるダイナミクスの変化を浮き彫りにしている。
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