世界の半導体業界に不可欠な機器を提供するオランダの大手企業ASMLホールディング(NASDAQ:ASML)は、重大なリーダーシップの変更を発表し、マルコ・ピーターズを最高技術責任者(CTO)に任命し、直ちに発効した。社内のベテランであるピーターズは、最近まで同社のアプリケーション製品分野のエグゼクティブ・バイスプレジデントを務めていた。
この人事は、ASMLの監査役会によるより広範なガバナンス計画の一環であり、2026年4月22日の同社の定時株主総会後にマネジメントボードへのピーターズの任命を意図している。
この動きにより、取締役会のメンバー数は5人から6人に増え、経営監督の強化が見込まれる。同じ株主総会で、監査役会は財務・運営部門の継続性を確保するために、CFOのロジャー・ダッセンを更に4年間、COOのフレデリック・シュナイダー=モノーを2年間再任することも意図している。
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政治・市場の動向の中で
この発表は、ASMLが複雑な地政学的・規制的環境の中を航行し続けていることを示している。月曜日、ASMLはロイター通信に対し、フランスのルブノ・ルメール元財務大臣が同社の執行評議会の顧問を辞任したと確認した。
フランスのルメール政権は、彼の就任から数時間後に崩壊したが、ルメールは2024年にASMLに入社し、欧州の半導体独立性を支える投資戦略に関する助言をしていた。
この顧問の交代にもかかわらず、ASMLは米中間の緊張が高まる中、EUが堅牢な半導体生態系を構築するための重要なプレーヤーであり続けている。
同社の技術は半導体のブームに不可欠で、同社の株価は年初来で43%急騰しており、ナスダック100の20%上昇を大きく上回っている。これは、ASMLのEUV(極端紫外線)リソグラフィーシステムに依存するAIチップの需要急増に後押しされたものだ。
同社は9月にフランスのスタートアップ企業Mistral AIに13億ユーロを投資し、同社最大の株主となることで、AI分野への取り組みをさらに強化した。
しかし、ASMLはEUV機器の中国への輸出を禁止する輸出規制の強化に直面している。これにより、中国企業が国内のDUV(深紫外線)機器の代替品に転換するにつれて、世界最大の半導体市場の1つへのアクセスに圧力がかかることになる。
ASMLの価格動向:木曜日の最新取引時点で、ASMLホールディング株はプレマーケットで0.25%高の990.27ドルで取引されていた。
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